ベイスターズを愛する皆さま、そうでもない皆さま、初めまして。
私、ライターをしております西澤千央と申します。「サイゾーウーマン」で女性誌をウキウキウォッチングしたり、「日刊サイゾー」で芸人さんにインタビューしたり、あとの時間は大体お酒を飲んでおります。このたび憧れの「おたぽる」でコラムを書かせてもらえることになりました。しかもベイスターズの。
ベイスターズ。愛しさと切なさと心細さの球団、ベイスターズです。まずは、私とベイスターズの出会いについてお話せねばなりません。
子どもの頃よく面倒を見てくれた、一回り上の従兄が熱狂的なベイスターズファンで、私はかなり偏った思想教育を施されて育ちました。たとえば私が、大好きな『太陽戦隊サンバルカン』を見ていると「いいか、サンバルカンは“大洋(=太陽)”だろ、だから機械帝国ブラックマグマは巨人だ」と、むちゃくちゃなことを言うのです。なんですか、全能の神・ナベツネですか。だったらヘルサターン総統は氏家ですか。
人を疑うことを知らない私はそれを真に受け、すくすくとクジラの海に溺れていきました。ある日、そんな従兄と、これまたホエールズ狂の叔父とともにハマスタへ。
1991年10月、対阪神とのダブルヘッダー。外野の大人たちは試合前から半べそでグラウンドを見つめています。そう、この日行われたのは“オバQ”田代富雄の引退試合。田代がバッターボックスに立っただけで涙を流す男たち。そして……フルスイングしたボールは、ふわ~~~っとレフトスタンドに消えました。滞空時間のなが~い満塁弾でした。
「田代!!! 辞めないでくれ!!!」
初めて見る、大の男たちの号泣・嗚咽に、少女の私はドン引き。その直後、先発だった中山がガンガン打ち込まれ「田代!!! 辞めないでくれ!!! 中山!!! お前が辞めろ!!!」という怒号にさらにドン引き。そんな中山は、シーズンオフに小さな女の子への許されざるわいせつ行為でクビになってしまい(現場にベンツで乗り付けるというガチのトンチキ)、言霊の恐ろしさを痛感すると同時に「大洋は好きだけど……こういう大人にはなりたくない」と心に誓ったのでした。
【筒香のお尻】第1回 「あの日見たオバQの放物線を僕達は忘れられない」2016年、開幕に寄せてのページです。おたぽるは、人気連載、スポーツ、その他、プロ野球、横浜DeNAベイスターズ、筒香のお尻、筒香嘉智、西澤千央の最新ニュースをファンにいち早くお届けします。オタクに“なるほど”面白いおたぽる!
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