アニメ『このすば』の魅力って結局何だったの? まさかのプリキュアまで“飛び火”も

『このすば』の魅力って結局何だったの?左『この素晴らしい世界に祝福を!』、右『灰と幻想のグリムガル』、各アニメ公式サイトより。

 冬アニメも最終回ラッシュで、春アニメの放送開始も直前、という時期になった。そんな今期のダークホースで、多くの視聴者の心を掴んでファンを獲得した異世界転生モノのアニメ『この素晴らしい世界に祝福を!』(作:暁なつめ/KADOKAWA/以下、『このすば』)。ほかTVアニメよりも、若干短い全10話ながら、放送中に原作小説の売上も跳ね上がり、最終回で第2期制作が決定したことが発表されるほどの伸びを見せた。『このすば』がこれほどの支持を得た魅力とはなんだったのだろうか?

 ちなみに『このすば』とは、現代の日本でニートだった“カズマ”こと主人公・佐藤和真が不慮の“事故”で亡くなり女神・アクアに誘われて異世界に転生。その飛ばされた先の異世界でできた仲間たちと奮闘し、モンスターや魔王軍と戦いの日々を切り開いていく……と、説明しても大体間違ってないのだが、異世界に強制的に連れてきたアクアはトラブルメーカーの駄目女神、できた仲間も最強の爆裂魔法を1日1回しか撃てない“頭のおかしい”紅魔族・めぐみんと、筋金入りの変態ドMクルセイダー・ダクネス。それぞれスペック自体はずばぬけているのに、どこか残念な面々とのハチャメチャな日々が描かれている。

 そんな『このすば』はニコニコ動画でも大反響で、放映期間中はランキング上位に『このすば』関連の動画がランクインされることもしばしば。めぐみん役の高橋李依のアドリブが光るより抜き動画に至っては、160万回以上もの再生をマーク、チョーの“チョー絶演技”に腹筋崩壊する者も続出。

 視聴者を魅了した要因として、インターネット上の書き込みや、ニコニコ動画で配信された動画へのコメントを見ると、カズマ役の福島潤を始めとした雨宮天茅野愛衣、高橋らの声優のアドリブ演技、話のテンポ・会話のおもしろさを推す声が挙がっているが、「無駄なところの作画が良かった」と、カズマの手がなぜかぬるぬる動くシーンなどスタッフの遊び心の部分を楽しんだというコメントも。

果ては「監督が謙虚だった」というものもあったが、こちらはアニメ『東京レイヴンズ』OPで金崎貴臣監督の名前を記したテロップがとても大きかったのが、『このすば』オープニングでは小さかったということを、ネタにした声も上がっていた。

 くしくも『このすば』最終回では、『魔法つかいプリキュア!』(以下、『まほプリ』)の主人公・朝日奈みらい/キュアミラクル役の高橋が演じるめぐみんと、『まほプリ』でリコ/キュアマジカル役の堀江由衣演じるウィズが、コンビを組んで爆裂魔法をぶっ放すシーンも。『まほプリ』『このすば』両作のファンは、このシーンに鋭く反応し、まさかのプリキュアにまで“飛び火”するという他現象も起こり、いじり倒して楽しんだ模様。ほかにも、アニメ関係者からはこんな証言も。

「『このすば』の最終回で第2期制作が決定したことが発表されたときに、もともと分割での2期放送が決まっていて予定調和だったのではないかという声も少なからずありました。少し遠いところではあるのですが、本作に関係した音楽関係者に話を聞いてみたのですが、『いきなり2期と聞いてビックリしました』と、寝耳に水という感じでしたよ。仮に2期が事前に予定されていたとしても、1期の最終回のタイミングで発表できたというのは、視聴者の盛り上がりが後押しになったのではないでしょうか」

 一方、『このすば』同様の異世界転生モノで、今クールに放送され、話題となったのがTVアニメ『灰と幻想のグリムガル』(作:十文字青/オーバーラップ/以下、『グリムガル』)。こちらは過酷な異世界で生き抜くことになった少年少女たちの葛藤や、心情描写などが情景描写と合わせて細やかに描かれた。

不器用な彼らが少しずつパーティーになっていく過程とともに、戦闘も手に汗を握るという感じの仕上がりで、『このすば』が『ドラゴンクエスト』なら、『グリムガル』は『ウィザードリィ』といったテイスト。数こそ多くはなかったようだが、両作品とも視聴し、それぞれの異世界ライフを応援したファンもいたようだ。

 なお、4月からも異世界転生モノのTVアニメ『Re:ゼロから始める異世界生活』(作:長月達平/KADOKAWA)の放送が開始となる。こちらは、無力な主人公の少年が得た、たった1つの“死に戻り”という能力を使い運命に抗う物語で、原作はシリアスありギャグありと、独特な世界観のなか進行していく。

 とりあえず、2期が決まり“祝福”するファンも続出した『このすば』。他作品では1期で人気があっても、2期では急に失速してしまうという事例もあるが、『このすば』はどうなのだろうか? どちらにしても“凱旋”を楽しみに待ちたいところだ。

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