■海中で待機可能なドローン「CRACUNS」
もちろん“水空”両用ドローンの開発はこれまでにもいくつか行なわれており、昨年には米ジョージア州の研究室(Georgia Tech UAV Research Facility)から「GTQ-Cormorant」、そして米ニュージャージー州のラトガース大学からは「Naviator」という、水空両用ドローンが発表されて試験飛行を成功させている。しかし完成度という点では、今のところLoon Copterが半歩ばかりリードしているようである。
だが半歩ばかりのリードでは、現在の生き馬の目を抜く熾烈な開発競争下ではまったく気を許せない。先頃、ジョンズ・ホプキンス大学応用物理研究所が発表した水空両用ドローンは、Loon Copterとは対極の活用法を目指して開発された機体である。
北欧伝承の海の怪物“クラーケン”にちなんで「CRACUNS」(Corrosion Resistant Aerial Covert Unmanned Nautical System)と名づけられたこのドローンは、深度数百mの海中で数ヵ月の間待機していることが可能である。Loon Copterとは異なり、例えば潜水艦に装着するなど、出発点が水中であることを前提としているのだ。
水圧と海水に耐えうるように耐久性と機密性に優れた設計が施されており、高い実用性を備えた水空両用ドローンに仕上がっているということだ。しかも部品ほほとんどを3Dプリンタで作成するため、大幅なコスト削減を実現している。2ヵ月間海水に浸した耐久性のテストでも機体にはまったく不具合は生じなかったということである。
開発ラッシュの渦中にある分野だけに、今後どんなドローンが登場してくるのか、まったく予断を許さない状況がまだまだ続きそうだ。
(文/仲田しんじ)
【参考】
・Gizmag
http://www.gizmag.com/cracuns-amphibious-drone/42352/
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