キュートな丸いお尻がこんにちは! 二階堂ふみ主演のエロチックファンタジー『蜜のあわれ』を吸い尽くしたい

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 老作家と金魚とのアブノーマルな恋愛関係に、もう一人のワケありキャラクターが絡むことになる。老作家の大ファンだったという和服の似合う大人の女・ゆり子(真木よう子)が現われ、怪しい三角関係へと物語はよじれていく。実はゆり子はもうこの世の存在ではなく、老作家のことを想い続けて成仏できずにいる幽霊。金魚や幽霊に慕われて、老作家は毎日けっこー忙しい。人間ならざる美少女と和服の似合う妖艶な幽霊と老境に至ってエロの極みに達した性豪作家とのトライアングルラブ。そして、そんな幽玄なる倒錯世界を見守る金魚屋の辰夫(永瀬正敏)と自殺した天才作家・芥川龍之介(高良健吾)。人間も非人間も一緒になってのラブコメ的展開は、まるで『うる星やつら』みたいな破天荒さ。石井岳龍監督は、かつて小林よしのり原作の『逆噴射家族』(84)というコメディ怪作を撮っていたことを思い出させる。

 とはいえ、石井岳龍監督は『蜜のあわれ』を単なるドタバタ喜劇では終わらせない。石井聰亙から石井岳龍に改名し、『生きているものはいないのか』(12)、『シャニダールの花』(13)、『ソレダケ/that’s it』(15)と石井作品には死生観が色濃くにじみ出るようになってきた。死んでしまった芥川龍之介は今でも若いままだが、老作家には確実に死が近づいている。それゆえ、ますますエロ妄想が膨らんでいく。一方、ぴちぴちした若さ溢れる赤子だが、金魚である赤子の1日は人間の1カ月にあたる。「短い人生を愉しいことでいっぱいにすべきよ」と赤子はその日その日を奔放な愛に生きる。金魚としての寿命が限られている赤子と、撮影時20歳で自分の中の少女期が終わりを告げつつあることを自覚している二階堂との心情がシンクロしていく。赤井赤子の消滅は、二階堂ふみの少女時代の終焉を物語るものでもある。

 女優・二階堂ふみは『オオカミ少女と黒王子』(5月28日公開)や『ふきげんな過去』(6月25日公開)でも女子高生役を演じ、スクリーンの中ではもうしばらく彼女の美少女ぶりを楽しむことはできる。でも、現実の二階堂ふみからは確実に少女性は失われていくことになる。人を好きになるということは、愉しいものでございます。そんな赤子の無邪気な台詞がしゃぼん玉のように膨らんでは消えていく。蜜のあわれというタイトルが、はかなく胸に沁みる。
(文=長野辰次)

『蜜のあわれ』
原作/室生犀星 脚本/港岳彦 監督/石井岳龍 出演/二階堂ふみ、大杉漣、真木よう子、韓英恵、上田耕一、岩井堂聖子、渋川清彦、高良健吾、永瀬正敏
配給/ファントム・フィルム 4月1日(金)より新宿バルト9ほか全国ロードショー 
(c)2015「蜜のあわれ」製作委員会
http://mitsunoaware.com

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年上男性と共演してるときのエロさがいい。

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