【ヅカヲタ女医の「アモーレ!宝塚ソング」第8回】

早霧せいなさま、咲妃みゆさま、望海風斗さまが歌う「エル・アモール」に “流血”をも辞さない情熱的な愛を学ぶ

1603_kanashimi2.jpg2009年5月に上演された『哀しみのコルドバ』花組全国ツアーのポスター

 そもそもこの「エル・アモール」って、一体なんのお芝居に使われている曲なのでしょう……? と思いつつも調べるのをサボっていたところ、昨年末、CS局「タカラヅカ・スカイ・ステージ」内の「タカラヅカニュース」を眺めていたら、突然「エル・アモール」が流れ始めてびっくり! よくよく見てみると、2015年11月末から始まった雪組全国ツアーで上演されるミュージカル『哀しみのコルドバ』のお稽古場風景とのこと。雪組の早霧せいなさま、咲妃みゆさま、望海風斗さまが、CDでしか聴いたことのなかったこの名曲を、情感たっぷりに歌っておられました。で、ここにもう一人主要娘役も加わります。デュエット曲である「エル・アモール」に4人のそれぞれの心情を乗せ、歌い継いでいきます。再演を重ねている『哀しみのコルドバ』の中でもキモとなる、超有名な曲のようで、これまで知らなかったことが、宝塚ファンとして本当にお恥ずかしい限りでした……。

 このミュージカル『哀しみのコルドバ』は、闘牛士のエリオ、未亡人でパトロンに囲われているエバの物語。いまでは互いにフィアンセ、パートナーがいる2人は初恋同士。再会し、2人の愛を選び愛に生きようとしたところ、実は異母兄弟だった……という韓流ドラマばりのストーリーです。男女の心の機微を繊細に描くことで定評がある柴田侑宏先生の手による作品で、「エル・アモール」の作詞も柴田先生が手掛けておられます。作曲は「宝塚のモーツアルト」と言われた寺田瀧雄先生です。
 
 思えば、闘牛士が登場する愛の物語だからこそ「血が滲む」のかもしれません。片方がのめり込むだけなら単なるストーカーですが、互いに血を流しながら求め合うなら、立派なロマンス。と申しましても独身アラフォー女子のwojo、そんな経験したくてもしたことありません……。

 でも宝塚を見れば、現実ではもはや合コンにも誘われなくなって久しいアラフォー女であっても、命がけの恋を疑似体験できます。もちろん本物の闘牛士になんて会ったことありませんが、闘牛と一対一で対決する勇敢さを持ち、イケメンで、しかもすべてを捨てて私と人生を共にしたいと言ってくれるような男性が目の前に現れたとしたら! 慕ってくれる患者さんを見捨ててでもあなたの元へ……。そんな妄想に目をキラキラさせて向かうは、そう、カラオケです……。

 会えなくて 血が滲む

 闘い終え血なまぐさくも、心から愛おしい我が愛する闘牛士。
 そんな妄想にふけりながら、目を潤ませ私は、今日も「エル・アモール」を歌います。歌い上げます! もちろん、一人二役ではありますが……。

●プロフィール
wojo(ヲジョ)
 都内某病院勤務のアラフォー女医。宝塚ファン歴20年で、これまでに宝塚に注いだ“愛”の総額は1000万円以上。医者としての担当科は内科、宝塚のほうの担当組は月組。

 wojoの病院の医局の秘書さんはちょっと近寄りがたい雰囲気の女性なのですが、ある日突然とびきりの笑顔でwojoに話しかけてくれました。「どなたのファンなのですか?」と……。ノートパソコンを持ち歩く際wojoは、宝塚のオフィシャルショップ「キャトルレーブ」の紫色のビニール袋を愛用中。で、医局の自分の机にその袋を放置していたのが、その秘書さんの目に留まったようなのです。どうやら彼女も熱烈な宝塚ファン。それ以降、「今日は(ごひいきの方の公演の)初日ですね!」「千秋楽ですね!」等々、ヅカファンとして正しい挨拶を交わす仲になってしまいました。

早霧せいなさま、咲妃みゆさま、望海風斗さまが歌う「エル・アモール」に “流血”をも辞さない情熱的な愛を学ぶのページです。おたぽるは、その他演劇の最新ニュースをファンにいち早くお届けします。オタクに“なるほど”面白いおたぽる!

- -

人気記事ランキング

XLサイズ……
XLサイズって想像できないだけど!!