どれだけ結果を残しても、興収15億円突破の『ガルパン 劇場版』が来年の日本アカデミー賞にノミネートされないワケとは!?

2016.03.16

『ガールズ&パンツァー 劇場版』公式サイトより。

 公開からもうすぐ4カ月を迎えようとしている『ガールズ&パンツァー 劇場版』(以下、『ガルパン 劇場版』)。2月には4DX版の上映もスタートし、いまだ首都圏の劇場のチケットは困難な状態。興行収入も15億円を超え、社会的にも話題となり日本のアニメ映画史にも爪あとを残すなど、快進撃を続けている。しかし、それだけ結果を残したにもかかわらず、来年の日本アカデミー賞にノミネートされ、優秀アニメーション作品賞に輝く可能性はないという。映画ライターがこの事態についてこう解説する。

「日本アカデミー賞の選考基準が2014年12月14日~2015年12月15日までに公開された映画とあります。実は『ガルパン 劇場版』は今年の『第39回日本アカデミー賞』の方にノミネートされているんです。しかも、昨年度対象になった作品は選考対象にはならないという規則もあるんです。原作がないオリジナルアニメ発で、ロングランしてここまでの結果を残せる作品もそうないですし、少し惜しい気はしますね」

 ちなみに、今年の日本アカデミー賞のアニメーション部門では、最優秀アニメーション作品賞は細田守監督の『バケモノの子』となったが、授賞式にはアニメーション映画制作会社「スタジオ地図」の齋藤優一郎プロデューサーが登壇し、こんなことも話していたとか。

「まず、齋藤プロデューサーは細田監督の前作の『おおかみこどもの雨と雪』を引き合いに、『細田監督のお母様が亡くなって、そのお母親に対する贖罪であったりとか、親になることへの願いを込めた作品でした』とコメントし、『今回の「バケモノの子」はその監督に自身の子どもが生まれて、子どもの成長を通して社会の子どもたちを見た時に、未来を担っていく子どもたちを励ましたい。親たちはそのために何をしてあげられるのかという映画』と、説明したうえで、齋藤プロデューサーは、『細田監督はこの賞を励みにさせて頂いて、また新しい作品を作り始めています』と、次作のために行動を開始したことも明かしていました」(前出の映画ライター)

 今年は『ラブライブ!The School Idol Movie』が優秀アニメーション作品賞を受賞し、京極尚彦監督と新田恵海が日本アカデミー賞でレッドカーペットを歩いただけに、『ガルパン 劇場版』が同賞を受賞して、水島努監督らが歩くこともあったかもしれない。とはいえ、「日本アカデミー賞はルールを新しく作り直したりすることもありますよ」(前出の映画ライター)というだけに、『ガルパン 劇場版』が日本アカデミー賞で陽の目を見る可能性も一応は“微レ存”なのだろうか……。

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