【今月の不健全図書レビュー】三条友美先生いわく「犯人は早見純だ!」『劇画あまとりあ』が有害指定される素敵な社会

――東京都をはじめ、地方自治体の「青少年・治安対策本部」では、毎月“不健全図書”を挙げ、自主規制団体らと共に審議を行っている。この審議結果は毎回公表されるものの、審査過程での自主規制団体の声が顧みられることはほぼない。エロにせよ何にせよ、どこか尖った作品を大の大人が色々な立場から評価するという、そんな貴重な意見が無視されるなんてもったいない! このコーナーでは、“不健全図書”に指定されたマンガなどを自主規制団体の声と共に紹介していきたい。つまり、クラウド・ファンディング(群衆による資金調達)ならぬ“不健全図書”クラウド・レビュー(群衆による批評)、はじまり、はじまり~!
(以下、別記のない限り、【】内は「自主規制団体からの聴き取り結果」より引用)

【今月の指定図書】

1603_amatoria.jpg『劇画あまとりあ』(久保書店)※モザイクは編集部によるもの。

 2月の不健全図書指定で話題になったのが『劇画あまとりあ』(久保書店)であります。

 2,400円もする豪華本は、ダーティ松本、早見純、三条友美というエロ劇画の大御所3人の作品を収録。出版社の内容紹介には、こう記されています。

 ダーティ松本、早見純、三条友美。マンガ界の極北に屹立し、ほんとうのことを描き続ける3人の劇画天使たち。フランスの第9の芸術BDに肖った造本設計で蘇る傑作短編アンソロジー。モーリー・ロバートソン[ジャーナリスト]、会田誠[美術家]、ロマン優光[ミュージシャン]、永山薫[批評家]が偏愛を綴ったエセーを特別寄稿。それは恋文(ラブレター)であり、檄文(マニフェスト)。

 なんだかよくわからんが、とても実用とはほど遠い高尚な感じがします。とはいえ、中を見れば一目瞭然。これは青少年に悪影響を及ぼすのは間違いないと思います。

 なにせ、女子高生がレイプされるだけならまだしも、レイプされて殺されるわ、リストカットでエクスタシーを感じているわ、収録作が危険すぎます。【修整が甘く、性描写も多い。また、一部残虐な描写もあり、指定やむなし】【修整がなく露骨で、また、残虐性も高い】という指摘には、ぐうの音も出ません。指定非該当とする意見では、定価が高いことを理由に青少年は手に取らないと主張しますが、手に取った時の影響は計り知れない気がします。いやいや、むしろこういうのが不健全だと思われていない社会のほうがヤバいような……。

劇画あまとりあ (AMATORIA)

劇画あまとりあ (AMATORIA)

表紙は美しいんですけどね……。

【今月の不健全図書レビュー】三条友美先生いわく「犯人は早見純だ!」『劇画あまとりあ』が有害指定される素敵な社会のページです。おたぽるは、エロマンガマンガ&ラノベ作品レビューの最新ニュースをファンにいち早くお届けします。オタクに“なるほど”面白いおたぽる!

- -

人気記事ランキング

PICK UP ギャラリー
写真new
写真
写真
写真
写真
写真

ギャラリー一覧

XLサイズ……
XLサイズって想像できないだけど!!