『おじゃる丸』小西寛子が誹謗中傷を刑事告訴! 特定された書き込み者は「アニメライター」だった…

1603_ojarumaru.jpg「Hiroko Konishi website」より。

「『仕事をさせない』、『逆恨み』、『引退したことにされる』等目的の嫌がらせがあり、今回より、全ての事象を司法・警察等に委ねる事にいたしました。こういった社会悪を取り除き、笑顔のエンターテイメントビジネスを目指したいと思いますので変わらず応援宜しくお願いいたします」

 3月1日、自身のブログでこう宣言したのは、声優で歌手の小西寛子だ。小西寛子といえば、NHKで放送されているアニメ『おじゃる丸』で番組が開始された1998年から2001年までおじゃる丸の声を担当し、人気を博した声優だが、「全ての事象を司法・警察等に委ねる事にいたしました」とは穏やかではない。さらに、3月3日付のブログでは、次のような記載がなされた。

「本日,長野県警長野中央署へ被疑者の確認に行きました。小西寛子が長野中央警察署前でTV新聞各紙の囲み取材に対応しました。被疑者は神奈川県相模原市南区古淵に在住するアニメなどのライター**と報告を受けましたので厳重に処罰し可及的速やかに手続き(送検手続き)して頂けるようよう申し入れたところ、書類等整った時点でしっかり手続きするともうしておりました」(原文ママ)

 小西の所属事務所関係者が明かす。

「今回、長野県警が捜査をしている事件の被疑者は、15年4月ごろ、Twitterで『元声優の小西寛子、ネット訴訟で損害賠償をせしめようとする』など、社会的信用を低下させる悪質な名誉毀損記事の書き込みを繰り返し、小西の活動の妨害を執拗に繰り返していたため、書き込みを中止するよう再三警告して参りました。しかし、被疑者は警告を無視し、他のライターを名乗る者らと協力し、『NHKに高額なギャラを要求しておじゃる丸を干された』など、継続して違法な書き込みを繰り返し広く拡散させました。そこで、修復の可能性が低いと判断し、2015年5月、長野県警に刑事告訴状を提出し、その後の捜査によって被疑者が特定され、被疑者の取り調べが行われました。現在は、書類送検を待っているところです。刑事告訴しているのは、今回の件を含めて3件あります。また、告訴するかどうか検討中のものが2件あります」

 先日、声優の上坂すみれがTwitterの休止宣言をするという騒動が起きたが、小西のケースのように刑事告訴にまで至るのは珍しい。単なる一部ファンの暴走と片付けられるものではないようだ。

 ヒントとなるのは、小西の3月3日付ブログ記事での次の記述だ。

「小西の仕事を奪うために、役者や声優をさせないための名誉毀損書き込みや、それら記事を拡散するという行為は『対価を受けて記事を書く』ライターが対価も得ずに個人的にする行為としては考えにくい。世間一般的にも『依頼人』がいないはずはないと考えるわけです。警部補の“目”もそう言っていましたね」

 今回、特定された被疑者は、単なるファンではなく、「アニメライター」である。しかも、他のライターと協力した上で、特定の声優を攻撃していた。「何か裏があるのではないか?」という疑惑が持ち上がっているのである。

「ネットの悪質な書き込みが初めて確認されたのは13年のことで、作成されたのは10年でした。さらによく調べてみると、00年ごろから同様の書き込みがあり、いずれも『小西の所属事務所はヤクザ』など、事実無根の誹謗中傷でした。書き込まれる時期には規則性があって、オーディションや新番組のシーズン前になると、必ず2ちゃんねるなどで事実無根のコメントで埋め尽くされました。近年は、小西が新曲などを発売するたびに行われていました。また、ニュースサイトのパブリシティ記事などで引退してないのに、引退が既成事実であるかのように書かれたこともあり、組織的な関与もあるのではないかと指摘されています。こうしたこともありまして、テレビ制作各方面からは『なかなか声がかけにくい』と言われているのが現状です。これまで小西はファンやスタッフから『職人』と呼ばれ、演技力に定評があり、主役級としてキャスティングされることが多かったと思います。その一方、お酒の席など演技する以外の場で、業界関係者と親しくすることがほとんどありませんでした。それゆえに敵も多いのです」(同前)

 小西が声優としてデビューしたのは94年のことだが、当時は大手声優事務所のアーツビジョンと業務提携していた。だが、アーツとの関係は96年に切れてしまった。そのきっかけとなったのが、マネジャーによる「暴行事件」だった。

「ゲームの仕事の待ち合わせで、行き違いがあったのです。地下鉄の改札口で小西が待っていたところ、時間になっても誰も来ない。そこで事務所に電話をしたところ、『地上に出ろ』と言われて行くと、みんながいる前で現場マネージャーに『おせえよ!』と怒鳴られ、携帯電話で頭を殴られるという事件がありました。しかし、当時の事務所の社長に相談しましたが、加害マネージャーからは謝罪がなく、それどころか『分相応の扱いだ』と言われました」(同前)

 マネジャーや他の声優、アニメ制作会社の人間からは「干されるぞ」と言われたが、小西はフリーに転身。そして、96年後半からは大手芸能事務所の田辺エージェンシーと契約した(98年まで)。

 確かにアーツビジョンと関係の深いアニメ制作会社からはまったく仕事が入らなくなったが、97年には『おじゃる丸』など大きな役に抜擢され、業界での注目度が上がっていった。いわば、小西が活躍すればするほど、それを面白く思わない事務所や関係者が出てくる格好となっていた。

 ネットにおける小西に対する誹謗中傷の中には、「声優事務所に入っていたから仕事がたくさんできた」などという主張が多い。それは何かを物語っているようにも思える。

 今回の長野県警の捜査では、被疑者が所有していたパソコンやスマートフォンなどが証拠品として押収されており、背後関係が解明される可能性もある。新事実が判明次第、追って報告したい。

 なお、現在の小西は主にシンガーソングライターとして活動中。ダウンロードミュージックの売上が国内より海外の方が多い場合もあるくらいで、風評被害の影響を受けない海外での人気は依然として高いという。
(取材・文=星野陽平)

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いったいどうなっていくのか。

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