2月13日、練馬区立区民・産業プラザにてJAniCA(日本アニメーター・演出協会)が「アニメーション・クリエイティブ・テクノロジー・フォーラム(ACTF)2016」を開催した。本稿では株式会社オー・エル・エム(以下、OLM)の「Toon Boom Harmonyを使ったデジタル作画ワークフロー構築への道」の模様を記す。
Toon Boom Harmonyを開発するToon Boom Animation社は1994年の設立。日本語版は2002年から05年までToon Boom Studio(過去バージョン)が販売されていたことがあるが、14年から再上陸して注目を集めている。現在はHarmonyのほか、コンテなどのプリプロ作業用ソフト・Storyboard Proを販売。Storyboard Proは、OLMのほか、ポリゴン・ピクチュアズや新海誠監督も使用している。
OLMでは昨年、ショートアニメ『ハングリーニャース』で初めて制作を試みた。背景と撮影を除く工程でHarmonyとStoryboard Proを導入、合わせてチュートリアルの作成にも着手した。今は放送中の『ポケットモンスターXY&Z』(テレビ東京系)内ミニコーナー、「パフォーマー通信」の全工程をHarmonyとStoryboard Proで制作、After Effectsで撮影と完全デジタルのワークフローとなっている。
OLMは、グループ会社のOLM DigitalとPC周辺の環境を一元管理している。紙からファイルになったことから、大きな作品を制作していくにはITに詳しい人材が欠かせない。少人数だとスタンドアローンでも構わないが、人数が多くなるにつれ、どういうPCやネットワークがいいのか、それに伴うユーザー管理はどのようにすればいいのかという高レベルの問題が待ち受けているからだ。
自ずとファイル管理も階層が深くなり、手作業だと事故が発生する。その回避のためにディレクトリー(階層)やテンプレートの自動化・効率化ツールも開発した。これはOLM Digitalで7年前から開発を続けていたものの応用で、作品名、ユーザー名、担当作業、カット番号、キーフレームといった階層を一瞥できるようになっている。それらを一括し、1クリックするだけでHarmonyが起動するようにしたものだ。これにより各々がサーバーにアクセスし、フォルダを探してHarmonyを立ち上げるという手間の省力化に至っているとのこと。
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