■幼い頃のビデオゲーム体験で“ストレス耐性”が向上
シンガポールマネージメント大学の研究チームが先頃発表した論文では、ビデオケームを開始した年齢と、作業切り替え能力(task-switching ability)の関連性を探った興味深い研究が紹介されている。
研究によれば、ビデオゲームに熱中した時期が幼いほど、切り替えコストと混合コストにうまく対処できる能力を獲得しているということだ。つまり直近のビデオゲーム体験よりも、幼い頃のビデオゲーム体験のほうが認知能力に強い影響を及ぼし、作業切り替え能力などの能力の向上に貢献しているということである。切り替えコストに対処する能力の向上は特に顕著であるということだ。今回の研究で“頭の切り替えの早さ”と、幼少期のビデオゲーム体験には深い関係があることがわかったのだ。
研究ではさらに、例えばe-sportsのプロゲーマーといった人物をモデルに、単純なビデオゲームの総プレイ時間よりも、ビデオゲームを始めた年齢のほうがその技量に大きな影響を与えていることを解説している。とはいえ、齢を重ねてからのビデオゲーム体験もまた、切り替えコストに対処する作業切り替え能力の向上に一役かっていることも指摘しており、ビデオゲームが“ストレス耐性”を獲得できる有効な手段であることを示唆している。
子どもの頃にいち早くビデオゲームに熱中すると、その後の人生に役立ついくつかの認知能力を向上させることができるとは、まさに「三つ子の魂百までも」ということだろうか。もちろんこの記事をご覧の多くの諸兄はもはや手遅れ(!?)であると思うが、僅かではあれ成人であってもビデオゲーム体験が作業切り替え能力の向上を促進することから、将来の認知症予防という面からもビデオゲームを日常的な趣味にすることには少なからぬ利益があるようだ。これからもビデオゲームを楽しくプレイする時間を確保していきたいものだ。
(文/仲田しんじ)
【参考】
・Springer
http://link.springer.com/article/10.3758/s13414-016-1068-9#/CR41
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