幻想的アクションゲーム『Ori』ディレクター「任天堂がNXの情報をくれない!」 必死の訴えも「お前のところがしょぼいからだろ」!?

2016.03.02

『Ori and the Blind Forest』公式サイトより。

 TVゲームのニュースやレビューなどを提供している海外サイト「GameSpot」が2月25日、「『Ori and the Blind Forest(オリとくらやみの森)』(Microsoft Studios)のディレクター・Thomas Mahler氏が、ハードメーカーに対し苦言を呈した」という記事をアップ。記事によると、Mahler氏は「新世代コンソールを準備中のハードメーカーは、なかなか情報を開示しない習慣があり、各デベロッパー(開発業者)にとって、それが最もストレス」と述べているという。この発言に対し、ネットでは「お前のところがしょぼいからだろ」との指摘が上がっているが……。

 オーストリア・ウィーンの美術学校で彫刻を専攻し学んだ後、シネマティックアーティストとなって、ゲーム業界での地位を確立したMahler氏。3種類のユニークな種族が登場するリアルタイムシミュレーションゲーム『スタークラフト』、10年には『スタークラフト2』(ブリザード・エンターテインメント)に携わった。同年、各種ソフトウェアの起動プロジェクトの開発チームを率いるGennadiy Korol氏と、ビデオゲーム開発スタジオ・ムーンスタジオを設立。11年、Microsoftと共に『Ori and the Blind Forest』の開発に着手し、15年3月に同作をPC/Xbox One向けに発売した。

 幻想的で美しい世界を舞台にした、パズルのような謎解き要素のある探索型アクションゲーム『Ori and the Blind Forest』。ニブルの森に棲む小さな精霊・オリが故郷を守るため、暗黒の敵に立ち向かう横スクロールのアクションゲームだ。手書き風のタッチと繊細に作りこまれたキャラクター、フルオーケストラ編成の音楽、愛と犠牲の物語などが高く評価され、「東京ゲームショウ2014」の4Gamer、ファミ通、電撃という3つのメディア合同企画「メディアアワード」において、ルーキー部門優秀賞を受賞した。なお、同作は販売状況も良好で、Mahler氏は物語の続編を考えている上に、「映画化できたら最高」とも語っている。

 そのMahler氏が、「任天堂が年内発売を予定しているNXについて何も明かしてくれない」と、海外の巨大フォーラム「NeoGAF」上に投稿したようだ。しかし、それは任天堂に限らず、各ハードメーカーが開発キットや準備段階のコンソールを隠したがるようで、「せめてスペックさえ教えてもらえたら、目安もつけられるのに」と述べている。また、「ハードを売るには、優れたソフトが不可欠。任天堂は年内にNXを展開する予定らしいが、教えてもらえなければソフトが不足するのは間違いない。1年以下でゲームを作ることは可能だけど、それはゴミのようなゲーム」とも。なお彼の理想は、「ハード発売の2年前には開発キットを配布」、あるいは「スペックの提示」とのことだ。

 Mahler氏の苦言に対し、海外では「任天堂は真剣にNXの開発に取り込んでいる。落ち着いて待ちましょう」「任天堂は昔から何も変わってなんていないよ」「任天堂は公式発表の前に情報が漏れることを恐れ、第三者に明かさないのだと思います。インディーズメーカーには申し訳ないけど、しばらく待つしかないでしょう」「わたしはこの人が好きよ」「Wii Uにしても、タイトルが充実していないのは、きちんとソフト開発のメーカーと手を組まないから。任天堂は愚かだよ」など、賛否、さまざまな声が上がった。

 一方、日本では「こんなことを公でいうような会社には渡さないだろ」「すでに大手には回ってる。口が軽いわけのわからないところには教えない」「お前んとこがハブられてるだけじゃね」と、明かされない理由にムーンスタジオの知名度を指摘する声が多い。

 また、「だってマリオ売りたいし」「マリオ出せば売れるからのんびりしてるんだよ」「任天堂のハードなんて任天堂専用みたいなもんだ」「懲りないな。またマリオ、スマブラ、ゼルダ?」と自社ゲームを売るためと予想する声も見られ、通り越して「NXなんて誰も期待してないしいいだろ」「任天堂には全く魅力を感じなくなったな。DS、Wiiの頃はマジで最高のゲーム会社だと思っていたのに」という人すらいる。

 日本ではMahler氏に賛同する声はあまり見られなかったが、中には「XboxとPCでしか出てないからみんな知らないと思うけど『Ori』は超良作なんだよな」と支持するゲーマーもいた。任天堂とMahler氏の関係が良好となり、NXのスペックを生かしきった『Ori and the Blind Forest』の続編が、登場することに期待したい。

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