【ACTF2016】ラーメンズ・小林賢太郎が監督の『カラフル忍者いろまき』 スキャンの手間からデータ書き出しの手間へ

 なおデジタル作画では紙とは異なりスキャン作業が発生しないため、色指定後の仕上げ作業は彩色のみになる一方、新たにデータ書き出しが発生した。作画監督のレイアウトチェックとラフ原の間および色指定と仕上げの間、特に大変だったのが作画監督の原画チェックと動画の間だったそう。

1602_signalmd4.jpg各工程のうちデータ書き出しが発生した間を色付け

 レイアウト・動画・原画・仕上げ・背景の解像度も通常150dpiくらいであるところ、250dpiにしたという。原画マンから150dpiで描くと紙と比べて描いた感じがしないという意見が聞かれたためだが、仕上げ・背景の撮影時にはデータ量が重くなり、やり取りに時間がかかったという。

 あわせて進行表や集計表の自動化も試みている。Googleスプレッドシートを利用して、リアルタイムでアップデートされていくのを見られるようにした。これがCGアニメスタジオのサンジゲンが行っている仕組みと同じで、カット袋やタイムシートといった紙の素材がない工程に限られるものの、本来なら制作進行が管理するところを原画マンでも可能になった。

 これによってレイアウトから原画の間は進行作業が不要となり制作進行の負担が減った一方、紙だったらすぐ分かるような素材の不備に気づくのが遅れたり、紙の素材が紛れ込むと機能しなくなるといった留意点を挙げた。

1602_signalmd5.jpg制作進行の比重もデジタルにシフト

今後デジタル作画を進めていく上では、機材やソフトウェアの初期投資にお金がかかることや各人に知識や経験の差があること、導入しているスタジオや個人が少ないこと、カットの物量がわかりにくいこと、ソフトの互換性がないことが課題となっていた。

この『カラフル忍者いろまき』の公開情報は、今後スタジオや「あにめたまご」のサイトで更新されていくのでチェックしておきたい。
(取材・文/真狩祐志)

■SIGNAL.MD
http://www.signal-md.co.jp/
■あにめたまご
http://animetamago.jp/
■アニメーション・クリエイティブ・テクノロジー・フォーラム(ACTF)2016
http://www.janica.jp/course/digital/actf2016.html

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