ゲーマーは道に迷わない“世渡り上手”だった!? ビデオゲームで向上する能力の数々

■ビデオゲームが空間把握能力を向上させている

 今回の研究は、2013年に米・フロリダ州立大学が行なった研究を推し進めたものである。この時の研究で行なわれた実験では、参加者がバーチャルな3D空間の中でいち早く複数の宝石を発見することを目指すゲームを行なった。このゲームでバーチャルな環境下での空間把握能力を計ることができるということだ。

 短時間で宝石を発見した成績優秀者は、おしなべて数学などの理系科目(STEM)に秀でていることがわかったのだが、それと同じくらいビデオゲームのプレイ歴にも大きく関係していることが判明したのだ。これによってビデオゲームが空間把握能力を向上させているのではないかという仮説が浮上することになったのである。

 また2008年に米・イリノイ大学で行なわれた研究でも、ゲーマーと非ゲーマーの認知能力を検証しており、注意力、映像的な短期記憶力、即断即行する能力などがゲーマーのほうが優れているという結論を導き出している。

 ビデオゲームが趣味というと、孤独で非社交的というような紋切り型のイメージもまだ根強いと思うが、このような研究を通じて、新しい環境に適応する能力の高いゲーマーは現実の社会の中にあっても“世渡り上手”であるという仮説も成り立ちそうである。もちろん人生はビデオゲームではないが、一方でシミュレーションゲーム的なアプローチで解決できる人生の局面も多々あるのではないだろうか。単なるビデオゲームだけの問題ではなく、今後ますますサイバー化する社会にあって、現実とバーチャル空間の境界はどんどんあいまいになってきていることも確かだろう。
(文/仲田しんじ)

【参考】

・The Daily Dot
http://www.dailydot.com/geek/video-games-navigation-study/

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