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有田シュンのオタク訪問【第1回】

特撮愛を思い切り叫べ! 笑え! モノブライト・出口博之の異常な愛情!!

2016.02.12

『ギャバン』にポーズ付け。「目の色が変わったのがファインダー越しでもわかったよ」(カメラマン談)

■特撮愛も音楽愛も渇望感から生まれた!
──出口さんは特撮ソングのDJとしても活躍されていますが、いつ頃から始められたんですか?

出口 DJ自体は4~5年前からやっているんですけど、特撮ソングを流し始めたのは3年くらい前ですね。すごくきれいなお姉さんが300~400人くらい集まっているような「ザ・クラブ!」みたいなイベントで、いきなり特撮ソングをかけたんですよ。

──あははは(笑)。ちなみにどんな曲をかけたんですか?

出口 その時は『鳥人戦隊ジェットマン』(91年)『海賊戦隊ゴーカイジャー』(11年)『宇宙刑事ギャバン』(82年)などの東映作品を中心に、『機甲戦記ドラグナー』(87年)とか『聖戦士ダンバイン』(83年)みたいなロボットアニメの主題歌を流しまくったんですよ。そしたらお姉さんたちはキョトンとしているんですが、楽屋の方で大合唱が始まったんですよ(笑)。俺より5歳くらい上の人たちが、楽屋から飛び出すくらいの勢いで「ギャーバーン!」って熱唱してるんです。
 その時に、自分のルーツにある音楽って特撮ソング、アニメソングなんだと気づいたんです。DJって音楽をかっこよく楽しく聴かせる仕事だし、究極のレクリエーション係だと思うんですよ。本質的には裏方だと思うし、自分が目立つために曲をかけるわけではなく、いかにその場にいる人が楽しく空間を過ごせるかということを考える人なんです。だから無理に狙った曲を流すよりも、自分がいいとわかっている特撮やアニメの音楽の方が実は音楽的に機能したんです。
 それにきちんと音楽的にひも解いてみると、ものすごく高次元なまとめ方をしている楽曲が多いので、その要素を抽出してDJのプレイに生かしたら、みんなにももっと特撮、アニメソングを楽しんでもらえるし、特撮やアニメにも興味を持ってもらえるのかなと思っています。

──例えば『宇宙刑事ギャバン』は、主題歌を歌っている串田アキラさんからしてソウル出身ですし劇判も大人っぽい感じがあって、全体的にサウンドがかっこいいんですよね。

出口 うん。作曲された渡辺宙明先生の腕によるところもあると思いますけど、この作品が80年代における特撮ヒーローサウンドのひとつの到達点だと思いますね。従来の特撮サウンドを、どう音楽的にアップデートしたのかということを一番説明しやすい作品が『ギャバン』かもしれません。
 もともとは怪獣図鑑などの分析本が好きなので、その延長線上で「この作品が制作された時代は、こういう時代だった」「この頃にこういうことをやるのは、どういう点で大変だった」「こういう時代背景があってこういうエピソードが生まれた」のような考察を後から追いかけてするのが好きなんです。
 音楽も同じで、自分が一番影響を受けている音楽って80年代バンドブームの音楽──特にインディーズ御三家(80年代に活躍したインディーズ・バンド「LAUGHIN’ NOSE」「THE WILLARD」「有頂天」の総称)と言われたバンドで、中でも有頂天が大好きなんですよ。特撮も音楽も、自分がリアルタイムで体験できなかったものを追いかけているんです。

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