中条あやみ、山本舞香の美少女ぶりが目に焼き付く!! この春、注目の実写映画『ライチ☆光クラブ』『桜ノ雨』

 密閉された空間で起きる少年たちの狂気を描いた『ライチ☆光クラブ』とは対称的に、澄み渡る青空と海が広がる静岡県沼津市で2015年春にロケ撮影が行われたのが3月5日(土)より公開される『桜ノ雨』だ。ボーカロイドで人気に火が点いた卒業ソング「桜ノ雨」をモチーフにしたピュアな青春ものだが、やはり大人と子どもの間には見えない分水嶺が存在していることが描かれている。この分水嶺を平然と越えることができれば、大人になることができる。だが、ここでもひとりの少女が反乱を起こすことになる。

sakuranoame01『桜ノ雨』より。内気な女子高生・未来(山本舞香)は合唱部に入部し、自分の居場所を見つけることに。

 山本舞香、久松郁実、三浦透子ら若手キャストがそろった『桜ノ雨』を演出したウエダアツシ監督は、武田梨奈主演作『リュウグウノツカイ』(13)でデビューした新鋭監督。内藤監督の『先生を流産させる会』が実話をベースにしていたように、『リュウグウノツカイ』も2008年に米国マサチューセッツ州で起きた女子高生集団妊娠事件から着想を得たものだった。過疎化が進む田舎町で暮らす少女たちは異性との恋愛感情をスキップして、赤ちゃんをいっせいに出産することで自分たちの新しい王国をつくろうとした。できればずっと少女のままでいたい、でも自分たちの愛情を無条件に注げる赤ちゃんも欲しい。そんな女の子たちのアンバランスで危うい精神世界を、ウエダ監督はファンタジックに描いてみせた。

『桜ノ雨』の主人公・未来(山本舞香)は内気な高校生で、口数が極端に少ない。誰かに話し掛けられても「いえ」「すみません」「ごめんなさい」の三言しか話すことができない。そんな口ベタな未来だったが、1年生のときにピアノの音色に釣られて覗いた音楽室で合唱部の部長・ハル先輩(浅香航大)に声を掛けられ、そのまま合唱部に入る。歌を歌うのは苦手な未来だったが、自分の居場所を見つけることができ、うれしかった。2年生になった今では努力が認められ、1年生たちの基礎トレーニングの指導を任される立場となっていた。いよいよハル先輩たちが引退する最後の合唱コンクールが近づく。顧問教師(田畑智子)は「今年は絶対に金賞を獲るわよ」と意気込み、難曲「情熱の道標」に挑むことを合唱部に課す。未来たちは本当は「桜ノ雨」を歌いたかった。みんなが大好きな曲で、ハル先輩たちを送り出したかった。でも、指導熱心な顧問の命令に逆らうことはできない。ひと夏の間、難曲の練習に取り組むことになる。

sakuranoame02宮沢りえ、蒼井優、夏帆らを輩出したリハウスガールのCMでデビューした山本舞香。初主演となった本作をきっかけにブレイクしそう。

 10代の少年少女たちにとって、ひと夏という季節はとてつもなく長く、掛け替えのない大切な時間だ。そのひと夏の間、未来ら合唱部員たちはそれぞれ家庭や進路について悩み、恋愛問題などに直面しながら稽古に打ち込む。やれるだけのことはやった。コンクール当日を迎えるが、合唱部員たちはどこか自信がない。自分たちが本当に歌いたい曲ではないという根っこの問題が解決されていないからだ。大好きなハル先輩たちと一緒に歌う最後の曲なのに、こんな中途半端な気持ちのままでステージに上がっていいのか。それまでずっと無口だった未来がステージ脇の楽屋で叫ぶ。「こんなタイミングで無茶言っていることはわかるけど、本当に自分たちが歌いたい曲を歌おうよ」。未来の言葉は、合唱部みんなの心に響いていた。でもコンクールへのエントリー曲は事前に提出済みだし、もう客席はお客さんが待っている状態である。そのとき、未来たちは分水嶺の頂点に立っていた。そのまま黙って降りていけば、常識をわきまえた賢い大人になることができる。けれども、未来は分水嶺を降りる直前で足を停める。それまでオドオドしていた未来を演じていた山本舞香が毅然とした表情で訴え掛ける姿を凝視したい。

『ライチ☆光クラブ』と『桜ノ雨』は作風も内容も水と油のようにまるで異なる作品だが、どちらも10代の少年少女たちの純粋さゆえの反乱を描いたものだ。それぞれの作品でヒロインを演じた中条あやみ、山本舞香が今しか放つことができない輝きを刻んだ作品として特筆したい。

(文=長野辰次)

『ライチ☆光クラブ』

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原作/古屋兎丸 脚本/冨永圭祐、内藤瑛亮 監督/内藤瑛亮 
出演/野村周平、中条あやみ、間宮祥太朗、池田純矢、松田凌、戸塚純貴、柾木玲弥、藤原季節、岡山天音、杉田智和、古川雄輝 
配給/日活 R15+ 2月13日(土)新宿バルト9ほか全国公開
(c)2016「ライチ☆光クラブ」製作委員会
http://litchi-movie.com

『桜ノ雨』

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楽曲制作・原作・原案/halyosy 脚本/小林弘利 監督・編集/ウエダアツシ 出演/山本舞香、浅香航大、広田亮平、久松郁実、三浦透子、井上由貴、中村大樹、きそひろこ、田畑智子、奥貫薫 
配給/AMGエンタテインメント 3月5日(土)より全国ロードショー
(c)2015 halyosy、藤田遼、雨宮ひとみ、スタジオ・ハードデラックス/PHO研究所/『桜ノ雨』製作委員会
http://sakuranoame-movie.com

CYAN(シアン) issue 008 (NYLON JAPAN 2016年 3月号増刊)

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なんだろう、中条あやみになら騙されて壺買わされてもいい

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