『獣DIRECT2』作者はくみんな獣姦大好き!?本格派すぎるアンソロ!

 いつの間にか、メジャーマイナーな嗜好の一角を占めている獣姦。月に数冊は18禁の棚に並ぶようになって「日本は大丈夫か?」と、興奮しつつも心配になる、今日この頃。いや、文化先進地域だと思われるヨーロッパでは、長いこと実写で獣姦ものが制作されてきたことを思えば、日本の文化も爛熟期を迎えているのだとポジティブに捉えている。

 そんな獣姦ジャンルでも、このところ注目しているのがメディアックスのアンソロ『獣DIRECT』。前身の『獣 for ESSENTIAL』を含めると、先頃発売になった『獣DIRECT』第2巻でいよいよ12冊目。『獣DIRECT』になってから表紙に「本格派御用達」という文字が記されるようになった。

 そこまで誇らしげにアピールするのだから、中身ヌルければ、わざわざここでレビューする必要なし。そう思いつつ「実用」も兼ねて購入してみたのだが、もはや、獣姦の中で、このアンソロはひとつのジャンルになりつつあるような気概を感じた。

 従来、18禁で描かれた獣姦というのは、いまいちなヌルさがあった。それは、獣姦が禁忌であることをどう捉えるべきか、編集も作者もいまいち理解していなかったからだろう。

 獣姦は超インモラルな行為である。ヒロインが、人ではない動物に犯されている、汚されている。そして、それによって感じてしまっている。それがどれだけ無残で、人間として終わった行為なのか。単に人のものではない肉棒で感じているだけではダメなのである。快楽に溺れて堕ちるとは異なる“狂気を孕んだ堕ち”まで描かなければ「本格派」にはなれないのである。

 色に例えるならば漆黒が似合いそうなフェチが獣姦だ。それを理解しまくった『獣DIRECT』第2号は、作品の多くがダークな展開。救いもあるのかないのか曖昧なままに終わる作品が多くを占めている。

 とりわけ、収録作のうちダークサイドに満ちているのは、服部ミツカの描く「半仏半獣」。

 この作品、現代設定なのに流行病に苦しむ村で尼僧が村人によって狗神(オオカミ?)の生贄にされてしまうというもの。尼さんが「神も仏もありはしない」とか「あるのは地獄だけ」とか、絶望の中で犯されるしかないという救いのない展開なのである。あまりに救いがないからこそ、黒い欲望が読者を支配し興奮させてくれる作品である。

 H9「続さまよえる子羊」は牛舎の体験実習に来たはずの女子校生と女教師が馬に犯されまくるという、ある意味定番的な展開。だが、馬は馬でも、わざわざばん馬(北海道のばんえい競馬に出てくる、でっかい農耕馬)を登場させるこだわりが、頭がオカシクて嬉しい。

 月森雅十「獣陵域」は野生のイノシシ×ヒロインなのだが、ヒロインが猟友会に参加しているハンターという、これまた凝った設定を。これ、ヒロインがイノシシとの愛に目覚めちゃうわけだけど、常人では思いつかないであろう展開ゆえに作者が、こんなシチュエーションで興奮しているのかと思うと、改めて世界は広いなと思うのだ。

 このように獣姦では、現在のところトップクラスともいうべきクオリティになった、このアンソロ。巻末の原稿募集に「俺は獣姦大好きだぜ!もっと広めたいんだぜ!」という作家を募集している旨を描いているが、確かに大好きな人が描いていることだけは、間違いないようだ。
(文=ピーラー・ホラ)

※モザイクは編集部によるもの。

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