アカデミー賞の短編ノミネート作品がアニー賞で受賞! 一方、東京アニメアワードフェスティバル2016の一次審査が“強行”で今後は?

 2月6日(現地時間)、国際アニメーションフィルム協会(ASIFA)は第43回アニー賞の各賞を発表。日本からは長編(インディペンデント部門)にスタジオ地図の『バケモノの子』(監督:細田守)とスタジオジブリの『思い出のマーニー』(監督:米林宏昌)がノミネートされていたが、受賞を逃した。

1602_annie02.jpg第43回アニー賞(アニー賞公式サイトより)

 年明けから続くアカデミー賞の“前哨戦”。アニー賞もまた主要な賞レースの1つと位置づけられている。短編のノミネートには日本作品は見られなかったが、受賞に至った『World of Tomorrow』は、第88回アカデミー賞のノミネート作品でもある。その『World of Tomorrow』は、ピクサーの『Sanjay’s Super Team』(Sanjay Patel and Nicole Grindle)と同じく、アニー賞とアカデミー賞の双方にノミネートとなっている作品でもある。

 ちなみに『World of Tomorrow』の監督・Don Hertzfeldtは、2月2日から23日までヒューマントラストシネマ渋谷ほかで開催中の「GEORAMA 2016」にて来日していた。実際に会場へ赴いていたファンなら今回の受賞を喜び、アカデミー賞への期待も大いに膨らんでいるに違いない。

1602_annie01.jpg開会式@東京アニメアワードフェスティバル(TAAF)2015

 そして先月の記事(記事参照)でも触れた『We Can’t Live without Cosmos』(Konstantin Bronzit)を忘れてはならない。アニー賞にはノミネートされなかったが、アカデミー賞のノミネート作品だからである。

 昨年、その『We Can’t Live without Cosmos』をグランプリに選んだ東京アニメアワードフェスティバル(TAAF)は2月4日、今年の短編の一次審査を終えたことを発表した。その一次審査は例の“解任劇”の象徴ともいえ、これまた強引に進められたものと噂されている。来月の開催に向けて動向が注視されているが(記事参照)、まだまだ予断を許さない状況に変わりはないようだ。

1602_annie03.jpg“解任劇”の経緯(TAAFサブドメインより)

 TAAFは東京国際アニメフェアで開催されていた東京アニメアワードを前身としている。その一方、一時期分裂したアニメコンテンツエキスポと東京国際アニメフェアで再構成したAnimeJapanにも目を向けておきたい。昨年、AnimeJapanは実行委員会が一般社団法人化したことでも注目を集めているからだ。

 日本動画協会はAnimeJapanで、最初から後援としての立ち位置となっていることから、TAAFにおいても今後は後援となった方が無難ではないかと思われる。また1つ“Anime”と“Animation”との温度差が埋まらない実例を、新たに国内外へ広く知らしめてしまった影響を深く痛感しているのであるならば。
(取材・文/真狩祐志)

■43rd Annie Awards Recipient’s List (as announced in show order)
http://www.asifa-hollywood.org/pixars-inside-out-and-boy-and-the-world-win-top-prizes-at-annie-awards/

■Short Film (Animated) nominee “World of Tomorrow” (Don Hertzfeldt)
http://oscar.go.com/nominees/short-film-animated/world-of-tomorrow

■東京アニメアワードフェスティバル
http://animefestival.jp/

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