エロ本への影響は首の皮一枚で回避……出版取次大手・太洋社が自主廃業決定

1602_taiyosha.jpg「太洋社」公式サイトより。

 出版取次大手の太洋社が、事業継続を断念。自主廃業を決定し、出版社に文書で通知したことが明らかになった。

 同社をめぐっては、2月1日以降に一部で版元からの送品や書店への配本が停止。この影響を受けて、芳林堂書店など都内の大手書店でも新刊コミックが入荷されなくなり、さまざまな憶測を呼ぶ事態となっていた。

 太洋社は、昨年民事再生法を申請した栗田出版販売に続く出版取次の大手5社に含まれる企業。長らく文京区関口に自社ビルを所有していたが、2014年にこれを売却して秋葉原に移転した時期から、経営の危機がささやかれていた。

 とりわけ動向に注視していたのは、同社が多くのシェアを占めるアダルト系の出版社。

 各出版社では1月に入ってから「太洋社が近々に事業継続か廃業かの判断を行う」などの情報が錯綜。先週末からは「1月の売上を見た上で、2月1日以降に判断を行う」との情報がもたらされ、動向が注目されていた。

 また、これらの情報を得て1日以降に出版社側が送本をストップしたことから、一部書店でも連鎖的に混乱が起きていた。

 5日に各出版社に送付された文書では、支払いの財源を確保していることを説明した上で、日販・トーハンへの帳合変更を求める旨が記されている。

「今回ばかりは、うちも倒産するかと思いました。支払いは確保しているということなので、ホッとしていますよ」

 そう話すのは、ある老舗アダルト系出版社の社長。これまでも、栗田出版販売の民事再生法の申請、協和出版販売のトーハンへの統合などさまざまな困難があったが、今回ばかりは連鎖倒産の危険が現実味を帯びていたようだ。

 今回の自主廃業にあたって、太洋社側は取引先がほかの取次に移行するまで対応する旨を示している。出版社、書店での混乱は最低限になりそうな見込みだ。
(文=ルポライター/昼間たかし http://t-hiruma.jp/

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