松岡修造よりもポジティブな男が火星にいた!! とにかく明るいサバイバルライフのすすめ『オデッセイ』

松岡修造よりもポジティブな男が火星にいた!! とにかく明るいサバイバルライフのすすめ『オデッセイ』の画像1映画『オデッセイ』より。

『エイリアン』(79)、『ブレードランナー』(82)、『レジェンド/光と闇の伝説』(85)で映画オタクの心を鷲掴みにしたリドリー・スコット監督。弟のトニー・スコット監督は68歳で自殺しちゃったけど、7歳年上のリドリー監督は今なお創作意欲バリバリである。巨匠となると重厚で説教くさい作品を残しがちだが、マット・デイモンを主演に迎えた新作『オデッセイ』はSF大作でありながら、何とも軽やかで爽快感の漂う娯楽作に仕上げてある。この軽みは、まさに名人芸! “映像の魔術師”と呼ばれたリドリー監督は、一般人の想像力を遥かに凌駕するビジュアル世界を生み出し、観客にリアルな火星探検を疑似体験させてくれる。

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 近未来の火星。ルイス船長(ジェシカ・チャステイン)率いる6名の火星探検隊は猛烈な砂嵐に見舞われ、地球への緊急帰還を余儀なくされる。だが、ロケットへ退避する途中、植物学者のワトニー(マット・デイモン)は不運にも事故に遭い、ひとり火星に取り残されるはめに。ふつうなら自分を置いてけぼりにした仲間を恨めしく思うところだが、ワトニーは事故に遭いながらも命拾いしたことをラッキーと考える。しかも、これまで苦労を共にしたルイス船長たちが無事に地球に生還することを願う、実に気のいいヤツなのだ。

 地球からの次のロケットが火星に到着するのは、どんなに早くても4年後。残された食料は6カ月分しかない。水も空気も生き物もいない火星で、どうやってサバイバルすればいいのか? ワトニーの命を救ったのは何とウンコだった! 仲間たちが火星に残したウンコは全部パッケージ化されて保存されていた。植物学者であるワトニーは基地内に土を敷き、食用の生ジャガイモを種イモとして植え、乾燥ウンコに水を混ぜて元の姿に戻し、有機肥料として畑にまんべんなく撒く。ウンコ様さまである。茹で立てのジャガイモを、ワトニーは実に美味しそうに口にする。風水関係の記事によく「トイレ掃除をすると金運がアップする」と書かれているが、ワトニーはウンコを大事に扱うことで大きなウンを呼び寄せることに成功する。

 火星でロビンソン・クルーソーばりの生活を送るワトニーは、とことん明るい。畑に植えたジャガイモを育てるためにも水が必要だが、使用済み燃料に含まれている水素に酸素を加えることでCO2を作り出す。砂漠に埋もれていた古い無人探査機に内蔵されていた旧式の無線機を修理して、地球との交信を試みる。ルイス船長が置いていったCDがあり、ワトニーが作業している間、70年代に大ヒットしたディスコ曲が流れ続ける。アバの歌う「恋のウォータールー」に、ドナ・サマーの「ホット・スタッフ」。救助の可能性が低いことを考えると恐ろしい絶望感が押し寄せてくるが、懐かしのヒット曲を聞きながらワトニーは自分にできる最大限のことをやり、夜はビデオカメラのモニターに映った自分を相手にしゃべり続けることで、砂地獄のように待ち構えている孤独さから身を守る。松岡修造を上回る超ポジティブ男の誕生である。

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