東京都も出資する「東京アニメアワードフェスティバル2016」が破綻? 3月開催を前に、日本動画協会がコンペ応募作約800本を審査せず放棄

 これに対して動画協会は、1月22日午後4時30分から予定されていた東京地裁での審尋の開始直前に仮処分の申し立てを取り下げ。同時に「TAAF2016のコンペティションに応募された作品を何らかの審査もなく、正当な理由もなく、選考対象としない旨、裁判所へ一方的に文書にて提出しました」というのである。

 事実上、和解の道が閉ざされたばかりか、すでに国内外から集まっている多くのコンペ作品を動画協会が破棄した形になっている。

 また、文書の中で江口氏側は、動画協会が業務委託料の支払いを止めていることにも言及。これまでの筆者の周辺取材・収集した内部リークが極めて精度の高いものであることも明らかになった。

 ここに来て、動画協会が権利を放棄することを決めた理由は何か。

「過去の応募作品数からの推測ですが、江口さん側が保管している作品は短編長編合わせて700~800本程度あると思います。3月18日開催を強行するのであれば、今から審査するのは無理です。そこで、審査が行えなかったのは、江口さんが作品を引き渡さないからと責任転嫁を図っているとしか思えません。また、コンペ応募者は作品の送付にあたって応募者がサーバーにアップロードを選択した場合、システム利用料として3ユーロをすでに支払っています。僅かな金額ですが、お金を返して終わりというわけにはいかないでしょう」(アニメライター)

 海外からの応募作、招待作が多くを占めるTAAF。この騒動は過去2回の開催で積み重ねられた信用をすべて吹き飛ばすことになりかねない。金を返せばよいという問題ではない。東京都の出資がパアになるのみならず、日本のコンテンツ行政そのものが、国際的な信用を失ってしまう事態になっているのだ。

 もはや、動画協会が沈黙のまま開催を強行するという目論見は崩れ去ったようだ。動画協会には、改めて制作者の想いに応える英断を期待したい。
(文=ルポライター/昼間 たかし

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