【劇場特撮レビュー】邦画の歴史はヒーローたちが支えてる!? スーパー戦隊の迫力やサービスを堪能できる『手裏剣戦隊ニンニンジャーVSトッキュウジャー THE MOVIE』

 意外といっては失礼だが、闇博士マーブロに扮するヤマちゃんこと南海キャンディーズの山里亮太が、いわゆるお笑い芸人としてのスタンスをきちんと保ちつつ、実に嫌味な悪役を喜々として演じ、それが作品として機能しているあたりも感心した。いわばヤマちゃん独自の気持ち悪い存在感(!?)がそのまま不気味で陰湿なキャラとして屹立しているのだ。これは演じる側の賢さも多分に反映されていると思う。

 特撮ヒーローものとして必須のアクション、そしてロボット特撮に関しては、日頃の小さなTVモニターではなく、銀幕の大画面でこそ、実は大いに楽しく映えるという“映画会社”東映の貫録を毎度感じさせられ、今回も例外ではない。
 そもそも日本映画界からアクション映画や特撮映画が激減していく中で、東映の特撮ヒーローものはそのテクニックなどの伝統を継承しつつ、新たな世代による新たな趣向と意欲が披露され続けている事実も見落としてはいけないところだろう。

 スーパー戦隊シリーズはTVを基点としつつ、夏の劇場版、冬の新春スーパー戦隊祭、ときおりGW前後の東映特撮クロスオーバーもの、さらにはオリジナルビデオ『帰ってきた』『10 YEAR AFTER』シリーズといったスーパー戦隊Vシネマ路線も敷かれ、さすがに記憶が錯綜しがちではあるのだが、それも含めての盛り上がりが毎回嬉しい限りではある。だが、やはり2時間くらいかけた特撮超大作としての映画も見てみたいし、さらにはこういったノウハウを活かしたオリジナル映画なども見たい。

 以前『パシフィック・リム』が公開された時期、佛田洋特撮監督や三池敏夫特撮美術監督に取材させていただいたことがあるが、そのとき彼らは『ジャイアント・ロボ』をやりたいと語っていた。
(ちなみに、それを聞いて私は『キャプテンウルトラ』もやってほしいとお願いした)

 毎度スーパー戦隊作品を堪能しつつ(この世知辛い世の中、本当に何も考えず、ひととき楽しませてくれる作品は、これだけではないか?)、そろそろ東映は、自社の財産でもある時代劇や特撮、アニメーションの技術を真に活かした作品群を世に出すべきではないか? そう思わずにはいられない昨今ではある。
文/増當竜也

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