ポリゴン・ピクチュアズにおける造形監督とは? 片塰満則が語る『亜人』の造形プラン

azin06.jpg『亜人』公式サイトより。

 ポリゴン・ピクチュアズでは『トロン:ライジング』から64(ロクヨン)モデリングを採用している。「顔の向きが6対4の斜めの向きって意味ですね。もっと正面になると73(ヒチサン)、とか82(ハチニ)っていう言い方になります。64だと45度よりもやや正面向きくらいになるんですけど、このアングルは正面と側面の両方を含んでいるんです」。デザイン画では正面の向きや側面の向きからモデルを起こしていくところ、斜めの顔を重要視したモデリングだ。「Mayaのイメージプレーンを使用してロトスコープしていきます。実際の立体物に絵を投射してみて、それを元に矛盾がないように形を作っていく手法です」。

 このほか『山賊の娘ローニャ』の際に開発したという球体シェーダーの紹介も。「セル調のCGをやってると誰もが頭を悩ませるのが、影が突然現れる『色パカ』の現象です。球体シェーダーを設定すると、それだけで『色パカ』が軽減されて見えるんです」。利点として、モデルの側で角を丸くしたりエッジを増やしたりする必要がないことを挙げた。

 モブキャラについても日本顔学会の「平均顔」をヒントにした。「新たにモデリングにしないで既存のモデルをブレンドして中間のキャラクターを作れば、個性が薄まったモブキャラとして使えるんじゃないかということです」。さらにモブに要求される個性の無さを表現、目を小さくした。また、モブは最低でも4種類の顔や服装が必要だと説明。4種類の理由としては、4色あれば隣り合った色と同じにならずに世界地図を塗り分けられるという統計や、マクドナルドの「チキンナゲット」の型が4種類であることを援用している。

 『亜人』のTVシリーズは1月15日25時55分よりMBSのほかTBS、BS-TBSにて順次放送。映画も第2部『亜人 -衝突-』の公開が5月に予定されているので、あわせて楽しみにしておきたい。
(取材・文/真狩祐志)

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『亜人』

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