SMAP解散のネガティブ報道からひも解く、ファンをコケにしたジャニーズ事務所の愚行

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『SMAP×SMAP』（フジテレビ系）公式サイトより。

「SMAP解散」という衝撃的な見出しのスポーツ新聞が発売されたのが13日の朝。日刊スポーツは断定的に、スポーツニッポンは「分裂」という表現を使って報じた。

　13日放送の『情報ライブ　ミヤネ屋』（日本テレビ系）には日刊スポーツのデスクが登場し、現状では解散は決定事項であるということを主張。記事内では「そういった話があるのは事実」と関係者談も掲載。番組内では繰り返し「本当なんですか？」と司会の宮根誠二が問いつめるも、日刊スポーツのデスクは記事の内容には自信があると語った。

　その際、宮根が「日刊さんはジャニーズの方々の連載も持ってますし……」とジャニーズ事務所と日刊スポーツの蜜月ぶりを暴露。翌14日には各スポーツ新聞は軒並み、木村拓哉VS中居正広、稲垣吾郎、草なぎ剛、香取慎吾とメンバー間の対立を煽るような記事や、独立組への露骨でネガティブな記事が多くなり始めた。

　この解散騒動、元はといえば昨年の「週刊文春」（文藝春秋）に掲載されたジャニーズ事務所のメリー喜多川副社長のインタビュー記事が発端である。長らくSMAPを担当し、国民的大スターとなるまでマネジメントの一切を取り仕切っていた、チーフマネジャーの飯島三智氏にまつわる後継者争いだ。メリー副社長は実の娘である藤島ジュリー景子氏こそが真の後継者と言い放ち、飯島氏に対して「SMAPを連れて出て行け」と完全アウトなパワハラでもって恫喝している。「あの子たちは踊れない」などSMAP自体に対する評価もメリー副社長の中では限りなく低い。今回の騒動を語る上で、以上のことは特に忘れてはならない。

　風向きが変わり始めたのは17日。各スポーツ新聞によって「キムタクが4人のSMAP残留のために事務所側と交渉中である」と報道される。独立を画策した4人に、温情を乞うキムタクというわかりやすい図式で報道され始めたのだ。ネット上の反応は「さすがキムタク！」の賛辞が並ぶかと思いきや、「メリーなんなん？」「89歳のババアにそんな力があるって企業としてどうなの？」など、ジャニーズ事務所に対する不満が大半。中には「スポーツ新聞のジャニーズ寄りの意見怖すぎ」「あそこまでパワーのあった人でも、こうやって干してくんだね」と、ジャニーズ事務所に飼い馴らされたマスコミに対しても不満の声が上がり始める。

　そんな中、18日放送の『SMAP×SMAP』（フジテレビ系）は番組内容を一部変更し、緊急生放送を差し込む。SMAPメンバー5人から初めて今回の解散騒動について語られるとあって、日本中が注目していた。てっきり騒動は手打ちとなり、中居がいつものようにヘラヘラと、いわば王道のアイドル然で「これからもよろしく！」と笑顔を見せてくれるのかと思われたのだが、実際は違った。

　解散を「しない」とも「する」とも明言せず、一人ひとりが謝罪をするという形式だったのだ。中でも香取は今にも泣き出しそうに、途中言葉に詰まるなど苦しい表情。中居からは、いつものエンタメ部分は1ミリも感じ取れず、ただただ「無」の表情で謝罪の言葉が発せられるのみ。この会見を見て、安心したファンなんているのだろうか。謝ってほしかったわけではないだろう。ネット上でも「キムタク以外の4人が気の毒すぎる」「こんな顔見てたら、解散した方がよかったのかなって思える」「メンバーは悪くなくて元は事務所の内紛でしょ？　謝らせるとか間違ってる」など、事態が収束するというよりは、ますます心配という声が目立つ。

　贔屓のマスコミを使い、飯島氏＆メンバー4人のネガティブ報道を企んだジャニーズ事務所だったが、今回ばかりは当てが外れた。あまりにも巨大で、国民にとっても身近な当たり前の存在であるSMAP。ネットの普及前ならともかく、今の時代あからさまな情報操作は一般人にもバレる。

　この騒動で誰が得をしたのか考えてほしい。メンバーにとっては精神的に相当つらいものだったろうし、それは会見時の様子で察するに、現在もなお続いているのだろう。飯島氏も今月中に芸能関係からは身を引くと報じられている。

　残るはジャニーズ事務所。邪魔な飯島氏はいなくなり、SMAP全ての権利を掌握し、メンバーの独立心もねじ伏せ、力を誇示した。一部マスコミで「メリー副社長の勝利宣言」などの記事も踊っているが、本当にそうなのだろうか。この件で、突出して印象が悪くなり、熱心なファンのみならず一般人にまでその“怖さ”を浸透させてしまったのは、他ならぬジャニーズ事務所本体だろう。