『思い出のマーニー』、「アニー賞」に続き「アカデミー賞」でもノミネート!! 「候補止まりのジブリ」脱却なるか!?

1601_marnie.jpg『思い出のマーニー』公式サイトより。

 発表まで20日を切った“アニメのアカデミー賞”「アニー賞」にノミネートされている、スタジオジブリ(以下、ジブリ)、米林宏昌監督の『思い出のマーニー』。1月14日(現地時間)、本家アカデミー賞のノミネート作品発表が行われ、同作が見事、こちらでも選出された。同じく長編アニメーション部門にノミネートされた『Anomalisa』『父を探して』『インサイド・ヘッド』『映画 ひつじのショーン ~バック・トゥ・ザ・ホーム~』という4作としのぎを削ることになるが、日本のネット上では「今回は『インサイド・ヘッド』だろ」「『インサイド・ヘッド』の当て馬」「いつもノミネートまでは行くが獲れない」といった声が多く、受賞を予想する人は少ないようだ。

 やはり、アカデミー賞の壁は厚く高いのだろうか。過去に同賞にノミネートされた、ジブリ作品を改めて振り返ってみることにしよう。

■『千と千尋の神隠し』
公開:01年
監督:宮崎駿
84年に『風の谷のナウシカ』が公開されて以来、意外なことにジブリ初めてのノミネートとなった『千と千尋の神隠し』。日本では興行収入304億円をあげ、国内歴代1位の座を今も守り続けている。「第52回 ベルリン国際映画祭」金熊賞、「第68回 ニューヨーク映画批評家協会賞」アニメ映画賞など、国外での評価も高く「第75回 アカデミー賞」長編アニメ部門にも選出。『アイス・エイジ』『スピリット』『トレジャー・プラネット』『リロ&スティッチ』を下し、初ノミネートにして初受賞の栄冠を手に入れた。

■『ハウルの動く城』
公開:04年
監督:宮崎駿
イギリスの作家、ダイアナ・ウィン・ジョーンズのファンタジー小説『魔法使いハウルと火の悪魔』(徳間書店)をもとにした『ハウルの動く城』。宮崎氏にとって『魔女の宅急便』以来となる他者原作による作品であることに加え、ハウル役をSMAP・木村拓哉が演じたことが話題を呼んだ。押井守氏も「男には妻にも子どもにも見せられないダークサイドがあることを宮さん(宮崎監督)が初めて描いた。ストーリーとしては滅茶苦茶な映画だけど、表現も円熟している」という理由で、ジブリで好きな作品に挙げる同作は、「第33回 アニー賞」長編映画部門&「第78回 アカデミー賞」長編アニメーション賞、両方でノミネート。しかし、どちらも『ウォレスとグルミット 野菜畑で大ピンチ!』に譲った。

■『風立ちぬ』
公開:13年
監督:宮崎駿
宮崎氏の長編最後の作品といわれている『風立ちぬ』は、飛行機、煙草など、同氏が好きなものが随所に見られる、零戦の設計者で知られる堀越二郎をモデルにした物語。主人公・堀越二郎役には、ジブリにも何かと縁のある庵野秀明氏を起用した。なお、起用理由は「役者では演じることのできない存在感」(プロデューサー・鈴木敏夫氏)とのこと。そんな同作は、「第70回 ヴェネツィア国際映画祭」コンペティション部門、「ゴールデングローブ賞」外国語映画賞などと共に、「第86回 アカデミー賞」長編アニメーション部門にもノミネートされた。しかし、日本でも大ヒットした『アナと雪の女王』に敗れることに。

■『かぐや姫の物語』
公開:13年
監督:高畑勲
『風立ちぬ』と同年に公開された『かぐや姫の物語』は、『ホーホケキョ となりの山田くん』以来の高畑勲氏の監督作品。製作期間に8年もかけ、製作費に50億円を投じた同作は、アニメファンや評論家から高く評価された一方で一般層に広がりが見えず、興行収入約25億円とジブリとしてはいまいち振るわなかったが、「第87回 アカデミー賞」長編アニメーション部門ノミネート。『ベイマックス』『The Boxtrolls』『ヒックとドラゴン2』『Song of the Sea』と争った結果、『ベイマックス』の受賞となってしまった。ちなみに、「第42回 アニー賞」では作品賞、監督賞、音楽賞(久石譲氏)という3部門にノミネートされたが、すべて『ヒックとドラゴン』の続編『How to Train Your Dragon 2』にさらわれている。

 以上が、これまでにノミネートされたジブリの作品。3年連続でノミネートとなった『思い出のマーニー』が「第88回 アカデミー賞」で受賞すれば『千と千尋の神隠し』以来の快挙となる。発表は2月29日(日本時間)。14年末にジブリを退社してしまった米林宏昌氏が、同社に置き土産を残すことができるか、注目が集まる。

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