親が学校を退学させ、専業化 月56万円を稼ぐ中国の天才ゲーム少年(12)に賛否両論

2016.01.15

母親に見守られながらオンラインゲームをする少年。

 2015年の中国ゲーム産業の売り上げは、日本円で2兆5,000億円を突破し、中国国内のゲーム人口は5億人を超えた。そんな中、中国で新たな職業として注目されているのが、オンラインゲームで大金を稼ぐプロゲーマーだ。 

「中国捜狐網」(2015年12月30日付)によると、中国江西省南昌市内に住む12歳の少年が、プロゲーマーとして毎月3万元(約56万円)を稼いでいると報じた。少年はインターネット上で自らのプレイ動画を公開し、毎日20万人もの人々がネットで観戦しているという。

 プロゲーマーの収入源は、主にオンラインゲームの配信会社などとプロ契約した際に支払われる契約料や、配信動画の再生回数に応じて配信会社から支払われる報奨金などだ。

 少年は、中国大手のネットゲーム配信会社と専属プレイヤー契約も交わしている。また彼は、プロゲーマーのマネジメント会社にオフィスの提供を受けており、日がな一日ゲームに没頭することができるのだ。

 少年と契約しているマネジメント会社の代表は「初めて彼のゲームプレイを見た瞬間、この少年はこれから必ず人気が出ると判断した」という。

オンラインゲーム上でほかのプレイヤーと試合をする時は、多くのファンが彼を見ようとかけつける。

 こうした息子の快進撃に、欲をかいたのは彼の母親だ。母親によると、少年の学校での成績は決して良くなく、唯一の趣味がネットゲームだったという。そんな息子の稼ぎっぷりを目の当たりにし、彼に学校を退学させ、プレイ動画の配信を専業化させることを決断したという。

 この行動は、中国のネット上でも賛否両論を呼んでいる。中国版Twitter「微博」には、

「中国は、中学校までは義務教育だろ? 教育法に違反している。子どもに教育を受けさせないなんて、この母親は人間失格だ!」
「金しか頭にないんだな、この親は。もしこの子からゲームを取り上げたら、何が残るんだ。中学校の勉強もしていないんじゃ将来どうなるんだ?」

と、母親への批判が大多数である一方、

「大学まで出たって、俺の給料はたったの5千元(約10万円)だ。高学歴でも金持ちになれる保証なんてないんだから、12歳でこれだけ稼げるんなら、別に学校なんて行かなくたっていいんじゃないか」

と、理解を示す声もある。

 遊びだったゲームが、いまや家族を養う収入源となってしまった少年だが、その前途はいかに……。
(文=青山大樹)

ステージママならぬ、“ゲーマーママ”?

編集部オススメ記事

注目のインタビュー記事

人気記事ランキング