酒は飲んでも飲まれるな! あなたは『ほろ酔い女子』か『酩酊女子』か?

 いきなりですが、お酒って美味しいですよね。気がつくとジョッキが空になり、記憶も空になり……何回失敗しても、懲りずにやらかしてしまう。そんなあなたにお勧めしたいのが、『お酒は夫婦になってから』(クリスタルな洋介/小学館)と、『酩酊すみれさん。』(中村モリス/少年画報社)の2冊。どちらも酔っ払い女子が主人公だが、その酔い方は両極端。

 完全に理想の“ほろ酔い”女子を描いているのが、『お酒は夫婦になってから』。会社ではバリバリのキャリアウーマンの千里(ちーちゃん)は、同僚から誘われても絶対に飲みに行かない。なぜなら、お酒を飲むとフニャフニャになってしまうから。だから、旦那の壮良(ソラ)が作ってくれたカクテルしか飲まないのだ。一口飲んだだけで、「しふくぅぅ」とキャラチェンジ。ソラのことが大好きな、甘えん坊な女の子になってしまう……なんだこのギャップ。お酒を飲むと、きつく結んでいた髪をとき、メガネを外すとかずるい。表情豊かになるとかダブルでずるい。現実にやられたら、男だったら絶対に萌え死んでしまうこと請け合いだ。ああ、こんな可愛い酔い方がしたい……。

 一方で、自分はここまで“酩酊”しない! と声を大にして言いたくなるのが、『酩酊すみれさん。』。「可愛い酔っぱらいなど、いない」と断言するこのマンガの主人公は、普段は寡黙でコミュ障、お酒が大好きだけどすぐに酩酊してしまう菫(すみれ)。しかも、チューハイを飲むとキス魔、泡盛を飲むと沖縄弁でエイサーを歌いだすなど、飲んだお酒によって酔い方が変わるので、余計に面倒くさい。

 そんなすみれさんの周囲のキャラも、濃いメンツが集まる。偶然仲良くなる同僚、麗さんは酒乱(淫乱?)だし、そんな2人に付き合わされるリア充(一見)の朝比奈くんが不憫でならない。ただ、なぜか憎めないのは、作者である中村モリスの描くすみれさんが魅力的だからであろう。コミュ障だけど一生懸命話しかけようとしたり、人付き合いができないと悩んだり、“素面のときは”いつもまっすぐなのだ。だからこそ、どんなに酩酊をしても、すみれさんに惹かれていく。ただ、実際にこんな酔い方をする人間がいたら、たぶんタクシーに蹴り込まれるか道端に捨てられるから要注意(経験談)。

 どちらの作品も、本当に美味しそうにお酒を飲む。近寄りがたい雰囲気が、酔うことにより変化する……このギャップこそが萌えポイントなのだ。酔った後の状態は真逆だが、根っこはとても似ている2人なのかもしれない。一度、2人で飲んでいるところを見てみたい。コラボしないかなと影ながら期待している。

 筆者自身、ひとり酒が大好きで、隣のおじさんと仲良くなって飲んでいるうちに記憶をなくし、どうやって帰ったかわからなくなる30女だ。最近も、家で起きたらひざをすりむき、体中があざだらけになっていた。ただ、お正月も明け、“新年会”というお酒の飲める場面が増えてくる。「可愛い酔っ払い」は難しいかもしれないが、(自戒もこめつつ)お酒はほどほどに。

(文=森野たぬき)

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