今年アニメ誌が選んだTVアニメ!! 「アニメグランプリ」は腐女子票で、「ニュータイプアニメアワード」は謎の力!?

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TVアニメ『Free!』公式サイトより。

　それぞれ創刊から30年以上が経ち、老舗アニメ専門誌「アニメージュ」（徳間書店）、「アニメディア」（学研プラス）、「月刊ニュータイプ」（KADOKAWA）。この3誌のうち「アニメージュ」と「月刊ニュータイプ」の2誌は、年に1度、優れた作品などを独自に発表している。前者が「アニメグランプリ」で、後者が「ニュータイプアニメアワード」。それぞれ雑誌の特色が出ていて面白いので、今年のアニメシーンを振り返りがてら、改めて紹介といこう。

　まずは、8月10日発売の「アニメージュ」9月号に掲載された「第37回 アニメグランプリ」から。メイン「作品部門」以外の1位だけを先に伝えると、「男性キャラ部門」：橘真琴／『Free！』、「女性キャラ部門」：ディアンヌ／『七つの大罪』、「声優部門」：鈴木達央、「アニメソング部門」：「Dried Up Youthful Fame」／『Free！』第2期OPとなっている。鈴木が『Free！』真琴役を務めていることを考えると、「女性キャラ部門」以外『Free！』一色。となると当然……。

■「第37回 アニメグランプリ 作品部門」
1位：『Free！ -Eternal Summer-』
2位：『うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVE2000％』
3位：『黒子のバスケ』
4位：『七つの大罪』
5位：『ハイキュー!!』

　……ですよね～。13年に第1期、翌14年に第2期が放送された『Free！』は、高校の水泳部を舞台にした青春ストーリー。イケメンの引き締まったボディが観られる同作は、女性を中心に人気を博し、今年12月には中学生時代を描いた劇場版が公開された。ただ、ほかの上位作品を見ても、どれも女性に支持される作品ばかりで、この結果にはネット上のアニメファン（特に男性）から「偏ってるな」「完全に腐女子じゃん」「女しか入れてないだろ」などの声が上がってしまった。

　近年、「ラインナップが腐女子向けになってる」といった指摘が多い「アニメージュ」。「アニメグランプリ」は、同誌に付属する専用ハガキによる投票で決められるため、読者層が偏っていれば、結果が偏ってしまうのも仕方がない。男性は子どもの頃から「週刊少年ジャンプ」（集英社）にアンケートを送る人も少ないし……。「（ランキングが）送られてきたハガキの実数どおりなんだろうな」感は伝わる、といえば、伝わるランキングだ。

　一方の、10月に開催されたイベント「NewType×マチ★アソビ The Moving Pictures Festival vol.5」で発表された「ニュータイプアニメアワード2015」。こちらも「作品賞（TV部門）」以外の1位をざっと紹介しよう。

「脚本賞」：虚淵玄氏＆深見真氏／『劇場版PSYCHO-PASS サイコパス』、「キャラクターデザイン賞」：松尾祐輔氏／『アイドルマスター シンデレラガールズ』、「メカデザイン賞」：『アルドノア・ゼロ』、「サウンド賞」：『アルドノア・ゼロ』、「主題歌賞」：「Brave shine」／『Fate／stay night ［Unlimited Blade Works］』、「特別賞」：「シュガーソングとビターステップ」／『血界戦線』ED、「劇場作品賞」：『劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス』、「監督賞」：三浦貴博／『Fate／stay night ［Unlimited Blade Works］』、「男性キャラクター賞」：比企谷八幡／『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。続』、「女性キャラクター賞」：雪ノ下雪乃／『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。続』、「マスコットキャラクター賞」：ソニック／『血界戦線』、「男性声優賞」：江口拓也、「女性声優賞」：花澤香菜、「スタジオ賞」：A-1 Pictures。

「アニメグランプリ」に比べ、ばらつきが見られるが……。

■「ニュータイプアニメアワード 2015 作品賞（TV部門）」
1位：『Fate／stay night ［Unlimited Blade Works］』
2位：『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。続』
3位：『アイドルマスター シンデレラガールズ』
4位：『デュラララ!!　×2』
5位：『冴えない彼女の育てかた』

「主題歌賞」「監督賞」を獲得した『Fate／stay night ［Unlimited Blade Works］』が「作品賞」も受賞。同作は、06年放送『Fate／stay night』の第2作で、去年10月～12月、今年4月～6月と2回に分けて放送された。奈須きのこ／TYPE-MOONのアドベンチャーゲームを、「スタジオ賞」で2位となったufotableが制作。ゲームにおけると“prologue”に相当する「0話」が放送されると、「まるで劇場版のクオリティ」とファンを唸らせた。

「アニメグランプリ」と違い、男性の意見も取り入れられていそうな「ニュータイプアニメアワード」。選考方法は、アンケートハガキ＆インターネット投票。インターネットなら面倒臭がりの多い男性でも、ワンクリックだし億劫がらないのだろう。しかし結果には、アニメファンから「謎の力が働くからなぁ」「いつもの組織票祭り」「利権の匂いしかしなくて草」「ドン引きですわ」「『Fate』が上位の時点で信憑性0じゃん」「講談社・小学館・集英社の原作組は減点ですか？」など、不満の声が噴出した。

「ニュータイプアニメアワード」は、ufotableがプロデュースするアニメ・ゲームのイベント「マチ★アソビ」と、「月刊ニュータイプ」がコラボレーションしているが、賞の結果に何か関係があるのだろうか。