女性キャスト一人ひとりに見どころアリ! 舞台『ハイスクールミレニアム2015』ゲネプロレポート

 過去の自分に会う。あるいは自分をとりまく人たちに会う。意図せず西暦2000年に連れて来られたのは、主人公だけではない。また、さまざまな時代から、時空のゆがみを超えて同じ時代にやってくるのが、このお話の面白いところ。戦時中から防空ずきんを被った女性や戦国時代から忍者さえ来るのだ。

1512_arice_stage04.jpg
1512_arice_stage05.jpg2015年、大人になった高世真琴を演じる、栗生みな。

 個々の演技について言えば、大人になってからの高世真琴を演じる栗生みなが素晴らしかった。特に台詞のない時間帯での、表情のみで見せる芝居の上手さには目を見張るものがあった。前述のとおり、空間的に奥行きのあるステージでメインのストーリーが展開されている脇で彼女が見せる演技がとても冴えていた。もう一度、見る機会があれば、ずっと追いかけて見たいというのは大げさな話ではない。

 公演後の会見では、「毎日稽古を続けていく上で、一人一人の成長が見られ、小屋に入って作品が完成したと感じた。お客さんが入った時、さらに上の完成が見られるのではないか」と語っていた。「本番に入ってからも、どんどん良くしていきたい」と千秋楽まで、作品を磨いていく姿勢を見せていた。

1512_arice_stage06.jpg西暦2000年の高世真琴役、藤井かえで。

 もちろん、現在(この舞台中では西暦2000年)の高世真琴役、藤井かえでも文句なしの演技だった。本格的にお芝居の世界に入ったのは、知る限りでは今年からなのだが、アリスインプロジェクトの公演を含めて7つの舞台を経験している。その中で主演をつとめる作品もあり、短期間で磨きをかけたということだろう。また今回、劇中で歌やダンスを披露する場面では、彼女の経験が見事に活きていると感じた。本人は会見で、「歌は特技ではないですが、好きです。真琴も歌が好きという共通点があるので、がんばって楽しく歌いたい」と語っていた。その後は、舞台セットについて言及し、構成が複雑で「不思議な空間に見える」「素敵なセットに立ってお芝居をしているのが楽しい」と笑顔を見せていた。

1512_arice_stage07.jpg80年代からやってきた月岡綿美役の那奈(左)、戦時中からタイムスリップした興松千鶴を演じる中野裕理(中央)。

 今回、とても印象に残ったのが、月岡綿美役の那奈。80年代半ばから15年ほど未来に飛ばされた彼女は、まさかの2人の子供を持つ母親役。もちろん、那奈自身は結婚もしていないし、実生活で子供がいるわけでもない。が、実に母親らしさを醸し出していた。それは那奈自身の持つ母性なのかとも思ったが、ゲネプロ後の会見で、「お母さんからもらった愛情をそのまま表現しようと思った」と語っていた。会見中も終始笑顔で、自身の演技にも手ごたえを感じているようだった。

女性キャスト一人ひとりに見どころアリ! 舞台『ハイスクールミレニアム2015』ゲネプロレポートのページです。おたぽるは、アイドルアイドル&声優その他演劇の最新ニュースをファンにいち早くお届けします。オタクに“なるほど”面白いおたぽる!

- -

人気記事ランキング

XLサイズ……
XLサイズって想像できないだけど!!