コミックマーケット、久々の手荷物確認は「オリンピックまで継続」がほぼ確定!

1512_comike.jpg「コミックマーケット公式サイト」より。

 29日から開催される「コミックマーケット(コミケ)89」を前に、一般参加者を対象にした手荷物確認を実施することが告知され、注目を集めている。これまでも、脅迫状が送付されたことなどを理由に手荷物確認が実施されたことはある。しかし、今後はコミケ開催のたびに手荷物確認は必ず実施されるものになりそうだ。

 今回、手荷物確認が実施されることになったのは、12月4日に開催された国際組織犯罪等・国際テロ対策推進本部の会合で「パリにおける連続テロ事案等を受けたテロ対策の強化・加速化等について」という決定がなされたこと。この組織は2001年に内閣官房長官を本部長として設置されたもの。

 12月4日の決定では「重要施設・ソフトターゲット等の警戒警備及びテロ対処能力の強化」という項目で「公共交通機関、大規模集客施設等のいわゆるソフトターゲットについても、施設管理者との連携、必要な警戒警備体制の構築、効果的な装備資機材の導入等により警戒を強化する」としている。

 これを受けて、全国で人の集まるイベント、スポーツ競技場など、さまざまな催しで警備強化の要請が行われているという。

 これまで、コミケでは12年冬の「コミケ83」において「黒子のバスケ脅迫事件」に絡んで会場側からの要請を受けたのをはじめ、やむを得ず手荷物確認を実施してきたことがある。

 今回、主催者であるコミックマーケット準備会は、警察から「非常に強い警備強化要請」があったとしている。

 これまでのコミケでは、脅迫犯が無事に逮捕されたことで手荷物確認も終了してきた。しかしながら、今回の実施理由は「テロ対策」。欧米諸国が主張する「テロの脅威」も終わりが見えない。

 そうした状況ゆえにコミケ関係者の間では「少なくともオリンピック後までは、手荷物確認は継続されるのではないか」との見方が多い。

 ……と、ここまで書いて迷うのは話のオチである。手荷物「検査」ではなく「確認」という形で、参加者が混乱することなく平常通りの開催を実施し、会場や警察も納得できる妥協点を見いだす準備会のヒラメキは賞讃されるものである。これも、いかにしてコミケを永続的に開催するかに注力しているからだろう。

 そして、もはやコミックマーケットに行く、同人誌を頒布する行為が隠れた趣味として行うことができるレベルのものではなくなったどころか、全世界レベルの情勢とリンクしていることを、まざまざと見せつけられた事態だと思う。

 そんな風に書き連ねてみて、思い出したのは「コミックGON!」第1号(1997年11月発行)。この雑誌には「テロリストからの犯行声明」という形で「コミケット会場爆破計画」という記事があった。「会場のここに爆弾を仕掛けると~」というアレな記事なのだが、現代だったら即炎上なんだろうな、と思った。
(文=ルポライター/昼間たかし http://t-hiruma.jp/

コミックマーケット 89 DVD-ROM カタログ

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