“地下アイドル”の現実を感じる一幕も… 仮面女子・さいたまスーパーアリーナワンマンライブの真実

 そして、各ユニットが登場し、1曲目の「元気種☆」へ。「ライブは、年始にオリコン1位をいただいた『元気種☆』で始めました。この曲で仮面女子は大きな一歩を踏み出せたと思っています」と川村虹花。桜のどかも「一発目の『元気種☆』は、私たち仮面女子のドラマの始まりです。オリコン1位をいただき、本当に私たちの花が開いたので」と、セットリストに込めた思いを教えてくれた。

 今回のライブのセットリストは、全体の半分弱が今年に入ってからの新曲。黒木ひなこは、このセットリストについて「とにかく新曲が多いんです。前回のワンマンライブでは各ユニットの曲を3曲ずつやりましたが、今回は各ユニットの曲がメドレーで1曲ずつしかなく、後は全部仮面女子の曲です。ガラッと変ったセットリストが注目ポイントでした」と話す。

 彼女の教えてくれた通り、本当にライブの印象が変わってしまった。昔からのファンの視点からすると、今回のライブはアリスプロジェクトが歩んできた長い道のりの集大成になるものだと思っていた。だからこそ、各ユニットの楽曲も期待していたところだったのだが、披露されたのは“仮面女子”としての楽曲……。思えばこの1年、彼女たちがブランディングしてきたのは“仮面女子”だった。おそらく、このさいたまスーパーアリーナに集まった多くの新規ファンは、まだ彼女たちの“仮面女子”としての姿しか知らない可能性が高い。そう理解すれば、仮面女子の曲で統一された今回のライブは、新しいファンに心地よく観てもらえる内容だったはずだ。マニアックな部分をそいだライブは、仮面女子が大衆化、すなわち国民的地下アイドルに一歩近づいたことを意味しているといえるだろう。

1512_kamenjyoshi_09.jpg「LOVE is ALL」。

 1stワンマンライブで各ユニット別にアレンジされた「アドベンチャー」が4連続で披露されたような、ファンをニヤリとさせるマニアック展開がなかったのは、少し寂しくも感じるが、長く応援してきた身としては、彼女たちが大衆に受け入れられていくことはうれしい限りだ。

 これもメンバー一人ひとりが、さいたまスーパーアリーナのワンマンライブを絶対に成功させたいと堅い意志を持ち続け、小さなことでも着実に行動してきた結果だろう。「ライブに行く」という公約を果たすため、今回のワンマンライブを鑑賞しに来ていた民主党の枝野幸男幹事長も仮面女子がライブを成功させた力について、「若い頃はいろいろ迷いもあるし、迷いの中で何かを選ばなければいけないことも多くあります。でも、厳しい道でも、階段を飛ばさないで、一段ずつ着実に上がってきてここまで来れた積み重ねの大事さは、ほかの若い人たちにも感じてもらいたいし、我々も忘れてはいけないと思います」と感銘を受けていた。

1512_kamenjyoshi_08.jpg終演後の黒木ひなこ。

 そして、最後に、筆者としては、メンバーの努力とともに賞賛したいものがもうひとつある。それは、所属事務所であるアリスプロジェクトの手腕だ。さいたまスーパーアリーナでのワンマンライブ開催をはじめ、それを実現するために必要な、オリコン1位獲得、全国ツアーなど、彼女たちが大きくなるために必要な目標を的確に定めてきたアリスプロジェクト。もし、この指し示す方向が間違っていたら、彼女たちの努力も水の泡だったはずだ。

 適切な目標を掲げる事務所、それを実現しようと努力するタレント、この2つが揃ってこそ、芸能界での成功をつかみ取れるのであろう。仮面女子が国民的地下アイドルになるために、次は何を仕掛けてくるのか。今後のプランが楽しみでならない。
(取材・文/桜井飛鳥)

“地下アイドル”の現実を感じる一幕も… 仮面女子・さいたまスーパーアリーナワンマンライブの真実のページです。おたぽるは、アイドルアイドル&声優の最新ニュースをファンにいち早くお届けします。オタクに“なるほど”面白いおたぽる!

- -

人気記事ランキング

XLサイズ……
XLサイズって想像できないだけど!!