ライダーたち、そして鶴太郎と竹中直人も共演!? 王道の中にスタッフの遊び心も感じられる『仮面ライダー×仮面ライダー ゴースト&ドライブ 超MOVIE大戦ジェネシス』レビュー

2015.12.11

『仮面ライダー×仮面ライダー ゴースト&ドライブ 超MOVIE大戦ジェネシス』公式サイトより

 平成『仮面ライダー』シリーズは今やTVのみならず、毎年夏恒例の劇場版に加えて、冬の『MOVIE大戦』シリーズ、そして春からGWにかけても某かのライダー映画やスーパー戦隊シリーズなどとのコラボも多々行われており、ファンにとっては嬉しくも気ぜわしい日々が続いて久しいものがある。

 その中で『MOVIE大戦』シリーズは、TVシリーズの前作と現在放映中の作品とをクロスオーバーさせたもので、これは『マジンガーZ対デビルマン』(1973年)など、実写やアニメを問わず東映が育んできたヒーローたちを競演させる東映映画伝統の“VS”ものの韻を踏んだ発展形のものではあるだろう。

 『MOVIE大戦』シリーズの始まりは、2009年暮れに公開された『仮面ライダー×仮面ライダーW&ディケイドMOVIE大戦2010』で、この年は平成ライダー10周年でもあり、それを記念した《平成仮面ライダー10周年プロジェクト》の最後を飾る劇場用映画でもあった。

 そもそもTVシリーズ『仮面ライダーディケイド』(09年)が、昭和&平成仮面ライダーたちが夢の共演を果たすというスタンスで作られており、夏の『劇場版仮面ライダーディケイド オールライダー対大ショッカー』(09年)に至っては、これまでのライダーが一気に勢揃いしての華やかなオールスター映画と化していたわけだが、その流れに乗せた『MOVIE大戦2010』は、スーパー戦隊シリーズのオリジナルビデオ『VS』シリ-ズ(現在は劇場公開されるようにもなった)に倣い新旧ライダーを競演させてみたところ、これが好評を博し、以後の東映お正月映画として定着していったと見て思しい。

『MOVIE大戦』シリーズの基本は、まず前作の仮面ライダーのTVシリーズ終了後の真の完結編(もしくは後日譚)を披露し、次に現在オンエア中の仮面ライダーのエピソード、そして最後に両者を合体させてのクライマックスと、大きく3部に分けた構成となっている。
 第1作を例に挙げると『仮面ライダーディケイド』→『仮面ライダーW』(09~10年)→『ディケイド』&『W』といった按配だ。

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