■オンラインゲーム情報がパーソナリティー研究の素材に
「オンラインビデオゲームは、人間の発達学、認知科学、心理学などの研究に役立つ大規模で有用なビッグデータを提供してくれます。これらのデータは個々のプレイヤーの性格を表す“心の窓”になるもので、オンラインビデオゲームのデータを扱うことは、人間のパーソナリティー研究の1つの方法になると確信しています」と、ヨーク大学のアレックス・ウェイド教授は「Game Politics」の記事で言及している。
また今回の研究では、ゲームの世界で反社会的な名前を名乗って、いくばくかの“アブない”言動を行なうプレイヤーがこれを続けているうちに、実生活の上でもそのような振る舞いをし得る可能性が指摘されることになった。バーチャルな世界でのキャラクターが現実の生活にも影響を及ぼすかもしれないのだ。しかし仮にそうだとしても、これをもってビデオゲームだけを悪者にすることはできないだろう。これは現在のインターネット時代に共通するバーチャルと現実の問題だからだ。
研究者たちは今回の発表について、まだ研究の入り口に立ったばかりであり、このビッグデータを活用して今後もさらに研究を進めなければならないとしており、ゆくゆくは自閉症や社会病質(Sociopathy)、依存症などの慢性疾患の解明と治療に役立てられるのではないかと思い描いている。
「今回の研究で明らかになったのはほんの氷山の一角です。このビッグデータは地球規模の心理学研究にとってこれまでにない貴重な研究素材です」と、ヨーク大学のアサナシオス・コキナキス研究員は語る。
次のステップは、名前を変えることで性格がどのように変化するのかを研究することだというが、オンラインゲームのユーザー情報というビッグデータが思いもよらない形で貴重な研究素材になったことは興味深く、今後の進展にも期待したい。
(文/仲田しんじ)
【参考】
・Psychology Today
https://www.psychologytoday.com/blog/brain-trust/201512/online-games-show-player-personality-and-how-change-it
・Game Politics
http://gamepolitics.com/2015/11/18/research-user-names-speak-volumes-about-personality/
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