柚本悠斗『姉(かのじょ)と妹(カノジョ)の下着事情。』ひたすら作者のリビドーが股間を直撃する、明るいおっぱいのオンパレード。

 おっぱい大好きな作者が目覚めたのは、おっぱいよりもそれを包む布地のほうだったのか! 柚本悠斗『姉(かのじょ)と妹(カノジョ)の下着事情。』(ジーエー文庫)は、第7回GA文庫大賞をにて奨励賞を受賞した作者のデビュー作である。

 受賞作なのでGA文庫には作者のインタビューも掲載されているが「人を選び過ぎないように書こうと」「少しマイルドに仕上げた下着事情がどこまで受け入れられるかな」と作者本人は述懐。でも、ならばそもそもの煩悩はどれだけ過激なんだよ! と空恐ろしくなるフェティシズムに満ちた作品なのである。

 あらゆるところに散りばめられたサービスシーン、すなわちライトなエロス。ラノベユーザーの中高生が堂々と購入できるジャンルの作品なのに、いろいろと目覚めてしまいそうで心配になる作品なのである。まず本文を読み始める前に、カラー口絵では堂々の風呂カットを掲載。イラスト担当・けけもつはラノベの仕事は初で、普段は18禁エロマンガで活躍してきた人物なのだ。男子の股間を直撃する描き方というものをよくわかっている。

 表紙ではタイトルに「下着」とあるにも関わらず、ちゃんと服を着たイラストを描いているのだが、これはなんかのフェイントに違いない(もっとも帯を外すと絶対領域が超美味しそうなんである。この絵師、デキルッ!)。

 さてさて、物語の主人公・創真彰人は高校の創作被服部に所属する男子である。彼が愛するものは、おっぱい。でも単に愛しているだけではない。長らくおっぱいを愛し続けてきた彰人は「おっぱいを守りたい」という確固たる意志を持っている。そのために彼は技術を学び、女性下着メーカーでブラジャーを制作することを夢見ているのだ。

 そうした彼の人となりと願望は、プロローグの数ページに凝縮して記される。この数ページの文章は濃く「なんだ、この変態は」と思いつつも、この先は怒濤のサービスシーンの連続に違いないと、読む者に期待感を与えるのだ。

 なんで、こんなに濃厚な文章を描けるのか。それは、ひとえに作者がおっぱいを好きすぎるからに違いない。とにかくおっぱいについて記したくリピドー溢れる作者の「好きなだけじゃダメだ。もっと布教しなくちゃ」という思いが文章に濃くを与えているのである。

 そんな、二郎系ならマシマシ、家系ならカタメ多め濃いめなプロローグで始まる物語は、いきなり次期部長である服部羽織の姉で生徒会長かつ老舗呉服店の当主である服部振袖から「羽織の婿になって呉服店を継げ」と命令されることになる。おお! いきなりの姉妹丼か~と期待すれば、羽織は理想のおっぱいの持ち主だけど、姉の振袖は「ブラジャーを必要としない着物体系」「興味の対象外」と、なんか失礼な心の声が描かれる。とはいえ、ダブルで美味しいじゃないかと期待しながら読み進めれば、さらに三女の七緒が登場し物語を混迷させてくれる。

 最終的に、三姉妹のいずれがメインヒロインの座を獲得するかは、まず読んでもらうとして、主人公が彼女らに好意を開陳するシーンがすでにヤバイ。なにせ「あなたのおっぱいを支えるブラジャーをつくりたい」だの「僕が下着メーカーに勤務したらモデルをお願いしたい」だの。とにかく数ページに一度は、ほんわかとエロエロを匂わせる描写が止まらないので、次は何が起こるのか期待しながら、すぐに読めてしまう。すでに来年1月には第2巻の発売も告知されているあたり、まだ18禁マンガを買えない男子たちからの熱い支持を受けているのではなかろうか。

 この作者、兼業作家で普段は社会人をしているということなんだけど、職場でも常に視線はおっぱいなのか? きっと本人は、文章そのままに気持ちのよすぎる変態ですね!
(文=ピーラー・ホラ)

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