『ビックリマン』をはじめとするおまけシール&カード人気が最高潮に達していた1980年代後半は、各お菓子メーカーから様々なアイデアを凝らした商品が発売されていた。
2枚重ね、3枚重ねシールやパワーゲージなど、遊び心あふれるデザインの『ガムラツイスト』『ラーメンばぁ』。月イチペースで、次々と新作シールを投入してくる『ドキドキ学園』。カードに開けられた穴に添ってペンで線を描き、それをプラモデルのように組み合わせると妖怪が浮かび上がってくる『君はオバキッドを見たか』。戦国武将をモチーフにした『対決 戦国大名』……。
これらは当時発売されていた商品のごく一部。ほかにも有名無名問わず、膨大な数のおまけシール&カードが全国で発売されていた。
その中で、ひときわ異彩を放っていたのが今回紹介する『ネクロスの要塞』だ。この商品は、80年代後半にロッテから発売されていたチョコレート菓子で、キャラクターが印刷されたカードとそのキャラクターを立体化したフィギュアがおまけについてきた。普通のお菓子ならシール、もしくはカード1枚のところ、『ネクロスの要塞』はさらにフィギュアまでついてくるなんて! お値段は100円と他のおまけシール&シールつき菓子に比べて、少々高めではあったものの、それも納得の(というか、かなりお得な)セットで販売されていた。
■本格的なファンタジー作品だった『ネクロスの要塞』
『ネクロス』の開発を手掛けたのは、『天外魔境』『サクラ大戦』『魔神英雄伝ワタル』などを世に送り出したレッドカンパニー(現レッド・エンタテインメント)。中でもイラストやゲームシステムなどコンテンツの核となる部分の大半を担当したのが、あだちひろし氏だ。
彼によると76年の設立以降、様々な仕事を請け負ってきたレッドカンパニーは、79年頃より『ジョイントロボ』(ロッテ)など、お菓子のおまけに関する企画を手掛けるようになり、会社は安定し始めたという。そして86年に登場した『ネクロスの要塞』では、当時『ドラゴンクエスト』でようやく社会に認知され始めたRPG要素を持つフィギュアとカードのセットの企画を考案。そこにアナログゲームとしても遊べる要素を加えられ、『迷宮モンスター』という仮タイトルを経て『ネクロスの要塞』は完成した。
子どもたちに本格ファンタジー&アナログゲームの魅力を伝授した!?『ネクロスの要塞』今昔物語のページです。おたぽるは、その他、ホビー、あだちひろし、ネクロスの要塞、バック・トゥ・ザ80’S、レッドカンパニーの最新ニュースをファンにいち早くお届けします。オタクに“なるほど”面白いおたぽる!
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