『攻殻機動隊』浮世絵に『機動戦士ガンダム』金屏風! アニメコラボで「攻める」伝統工芸の動きは、吉と出るか凶と出るか

1511_koukaku.jpg「攻殻機動隊 新劇場版 ~桜の二十四時間監視之図~」

 6度の劇場版アニメ化や3度のTVアニメ化、ゲームなど幅広く展開している『攻殻機動隊』シリーズ。その1シーンをモチーフにした浮世絵の第2弾として、「攻殻機動隊 新劇場版 ~桜の二十四時間監視之図~」の予約が先月30日に開始され、ネット上で話題になっている。

 これは、『攻殻機動隊 新劇場版』総監督の黄瀬和哉氏がキャラクターを新規で描き下ろし、このデザインを元に、浮世絵の彫り・摺りの伝統技術を用いて、人間国宝「岩野市兵衛」による「手漉奉書和紙」へ完全に再現した代物だ。今年9月に先だって発表・予約開始された「攻殻機動隊 浮世絵」第1弾である、押井守監督作品『GHOST IN THE SHELL/ 攻殻機動隊』のポスターイラストを、21世紀の浮世絵作品として再構築したものも、「浮世絵なのに未来的なテイスト」「もともとの魅力が高まる、というより変化した」と、ファンを圧倒した。

 最近、こういった「アニメ×伝統工芸」の商品が数多く生み出され、ファンの注目を集めるケースが多いようだ。今年3月に開催された「AnimeJapan」では、大々的にコラボを実施。『ガールズ&パンツァー』×「笠間焼」や『ハイキュー!!』×「玉虫塗」、そして『機動戦士ガンダム』×「金屏風」(なんと120万円!)などを売り出したのは、印象深いところ。

 ほかにも「アニメ×伝統工芸」のコラボ例は多く、「ヱヴァンゲリヲンと日本刀展」も好評を博し、12年より全国14カ所、そしてフランスとスペインでも展示会を開催。全日本刀匠会の会員や金工師、さや師ら若手職人が制作した品々が話題となった。また、『天元突破グレンラガン』が富山県高岡市の若手職人チーム「高オタクラフト実行委員会」とコラボして五月人形を発売。さらに9月に開催されたイベント「京まふ」では、『弱虫ペダル』や『薄桜鬼』などのアニメイラストを使った摺型友禅染や京捺染手刷り、つまみ細工の体験会が開かれるなど、多数の伝統工芸がアニメとのコラボを果たしている。

 こうしたアニメ作品とのコラボに対して、「ただの話題づくりであって一過性のものにしかならない」「本来の価値が失われてしまうのではないか」と批判する声も一部からは上がっている。しかし、アニメを通じて伝統工芸を知り、興味を持つ人がいることも確かだ。フランスの取引先から言われた「色つきの鉄器が作れないか」の一言から、カラフルな製品を開発して海外人気を獲得した南部鉄器のように、アニメをきっかけに、日本だけでなく世界中から注目を集める伝統工芸品が出てくる日も遠くないのではないだろうか。

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