服部昇大の「おあつあついのがおすき」第5回

『ハートキャッチいずみちゃん』ひたすらにエロい主人公がねちっこくエロを追う!

『ハートキャッチいずみちゃん』ひたすらにエロい主人公がねちっこくエロを追う!の画像1<イラスト/服部昇太>

「“ハートキャッチ”で有名な、あの作品が堂々の復刊!」と聞くと、みなさんは何を多い浮かべますか? おそらく9割のみなさんは、プリキュアシリーズの名作「ハートキャッチプリキュア!」を思い浮かべたでしょうが……違うんです。今回紹介するのは残り1割のほう、名作エロコメディマンガ「ハートキャッチいずみちゃん」なのです!

『ハートキャッチいずみちゃん』ひたすらにエロい主人公がねちっこくエロを追う!の画像2ハートキャッチいずみちゃん 全部!/遠山光

 この作品は、1980年代に「月刊少年マガジン」で連載された遠山光先生の作品で、前回の連載で紹介した「どっきんロリポップ 全部!」と同じ「全部!」シリーズで、来たる11月21日に「ハートキャッチいずみちゃん 全部!」として1・2巻に分けて(1冊あたり約900ページという驚異的なページ数!)復刊するんですよ!

「ハートキャッチいずみちゃん」は、80年代「月マガ」のエロラブコメ全盛期を代表する作品で、ほかにも中西やすひろ先生の「OH! 透明人間」、上村純子先生の「いけない! ルナ先生」などなど、いまだに映像化が繰り返されるほどの過激な伝説的名作が数々生み出されていた時代。「修羅の門」で有名な川原正敏先生も、デビュー当初は「パラダイス学園」というエロラブコメを描いていたんですね。僕は82年生まれなので、ちょうど産声を上げたばかりの頃だったりするのですが、僕の人生の半分は、ひたすら各地の古本屋でこのジャンルの本を探しつづける人生だったと言っても過言ではありません。

 そして肝心の本作の内容はというと、人の心が読める能力を持つヒロイン・原田いずみちゃんが、スケベな主人公・菊丸くんのエロい妄想に気づいて罰を与えたりする、「想像しただけでもダメなんかい!」という、冷静に考えたら「人権ってなんだろう?」という秘密警察のような設定です。が、それも序盤だけ。徐々に時代の流れと作者の筆もノってきて、「ひたすらエロい主人公・菊丸」のキャラが完成し、最強のエロラブコメへと進化していくのです……!

『ハートキャッチいずみちゃん』ひたすらにエロい主人公がねちっこくエロを追う!の画像3
『ハートキャッチいずみちゃん』ひたすらにエロい主人公がねちっこくエロを追う!の画像4ザ・痴漢の発想。

 こういうラブコメ系マンガの主人公って、例えば「うる星やつら」の諸星あたるもそうですけど、伝統的に「スケベではあるけど、イイところもある!」って設定が普通ですが、菊丸くんだけは例外です。ただひたすらに「スケベだし、イイところも特にない!」という少年マンガ的には驚異の設定なのです。おそろしや!

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『ハートキャッチいずみちゃん』ひたすらにエロい主人公がねちっこくエロを追う!の画像6水面に映るパンティのひねりにも興奮。どう見ても高校生の発想じゃない。
『ハートキャッチいずみちゃん』ひたすらにエロい主人公がねちっこくエロを追う!の画像7骨折した足で看護婦のスカートのボタンを外せる男・菊丸。

 もうこの作品はラブコメというより、後のエロマンガに繋がる系譜という気もします。後に「いずみスクランブル!」などのタイトルで成人コミックとしてフランス書院から復刻版が発売されてますし。そういう意味では、毎回「こんな題材でもエロいことに持っていけるの!?」というプロ作家のアイディアに溢れた発想(性癖?)の幅には、我々も学ぶべきところが多々あります。特に「エロいアイディアが枯渇しておる~」と悩んでいるエロ系の方々、大丈夫。ここにまだまだありますよ!

『ハートキャッチいずみちゃん』ひたすらにエロい主人公がねちっこくエロを追う!の画像8わらじ!?(そしてこの後、主人公がこのまま履きます)
『ハートキャッチいずみちゃん』ひたすらにエロい主人公がねちっこくエロを追う!の画像9股間に逃げ込んだカニを捕まえる展開!?
『ハートキャッチいずみちゃん』ひたすらにエロい主人公がねちっこくエロを追う!の画像10たまたま車のフロントガラスにひっかかったヒロインの胸を自由に操る驚異のワイパーテク!
『ハートキャッチいずみちゃん』ひたすらにエロい主人公がねちっこくエロを追う!の画像11オチ、すげえ雑!
『ハートキャッチいずみちゃん』ひたすらにエロい主人公がねちっこくエロを追う!の画像12こういう構図、エロマンガで見たことある!
『ハートキャッチいずみちゃん』ひたすらにエロい主人公がねちっこくエロを追う!の画像13「おもちがつきあがってきた」じゃないよ!

 やはり、これだけねちっこいマンガだけあって、かなり熱心なベテランのファンの方がいるらしく、wikipediaで調べてたらキャラクターのプロフィールが、

原田いずみ:当初は持ち前の気の強さで菊丸に噛み付いていたいずみだったが、自身も気付いていなかったマゾ性を暴かれ、菊丸の執拗な肉体調教の前に次第にマゾ奴隷として開発されて菊丸に逆らえない躰へと改造されてしまう。当初は持ち前の気の強さで菊丸に噛み付いていたいずみだったが、自身も気付いていなかったマゾ性を暴かれ、菊丸の執拗な肉体調教の前に次第にマゾ奴隷として開発されて菊丸に逆らえない躰へと改造されてしまう。

明知菊丸:いわゆる落ちこぼれだが、こと女体調教に関しては非凡な才を持つ。気の強さでは屈指であったはずのいずみや慶子までも菊丸の女体開発の罠に落とした。どんな立場の相手でも関係なく強制的に冷酷無慈悲な調教を行い、自分に逆らえない肉体に作り変える、まさにヒロインたちにとっては恐怖の存在。

 とか、まるでSM系エロ劇画のような文言が書かれてて笑ってしまったので、詳細に書かれたwikiも必見の作品であります!

[プロフィール]
■服部 昇大(はっとり しょうた)
マンガ家。著書に『ダークアクト』や『魔法の料理かおすキッチン』(共に集英社)など。現在となりのヤングジャンプにて『今日のテラフォーマーズはお休みです。』連載中。最新巻第3巻、好評発売中!〈http://tonarinoyj.jp〉

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