『変則系クアドラングル』もしも、あの頃に戻れるのなら……“やり直し生活”が切なく謎めいている

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　するとその望みを叶えてやろうかと謎の少女・ミオが現れて、もう取り戻しのつかない槇の高校三年間の「青春」を、自分の力でやり直させてくれるという都合のいい話をされる。半信半疑の槇に、半強制的に「体験入学」と称して槇の時間を巻き戻すミオ。これならやる直せるかも知れない、千野さんを救えるかも知れないと感じた槇は、正確に契約をすることになる。新しくやり直した高校生活では、暴力を封印し、千野さんともまともな関係を築き始める槇だったがしかし、「青春」を「やり直して」いるのは、槇だけではなかった？！　この手の作品で手を貸してくれるのは、もちろん純粋な天使のようなものではないケースが多い。「時間管理局のお役人」を名乗るミオにも謎めいた部分が多いが、彼女は何者で、どんな目的を持っているのだろうか？

　1巻と2巻が同時発売した本作なので、さわりの部分は既に説明され、槇以外に「やり直し」をしている人物の登場と、ミオからの新しいルールが発表されている。天使でも悪魔でもないミオだが、何やら考えを持っている様子。「青春」にこだわるミオと、お互いを思いやって歪な四角関係を繰り広げる槇たち。さてこの後どう展開していくのか、非常に気になる作品である。3巻は2016年2月発売予定だ。後悔したくないなら、読んでおくのが一番いいかも知れない。
（文／桜木尚矢）

 
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