──アニメ見ても、少年マンガを読んでも、海外ドラマを見ても! 「もう世の中全部がBLにしか見えない」腐女子ライターによる、腐女子のための、コンテンツの“愛し方”。
赤塚不二夫生誕80周年を記念して『おそ松さん』(テレビ東京ほか)が現在絶賛放送中だ。
『おそ松さん』は、赤塚不二夫のマンガ『おそ松くん』の六つ子が大人になった姿を描いている。子ども向けのコミカルなハートウォーミングなアニメなのかな? と思いきや、深夜枠な上、出てくる人間、全員どこかおかしい“クズ”という、完全なる大人向け作品だ。しかも同作、なぜか大人の女性たちにウケている。今回は、そんな『おそ松さん』を紹介していこう。
■小野Dをバカ役にする“わかってる感”
キャストを小分けに発表するというもったいぶった発表の仕方をしていた『おそ松さん』。もったいぶっただけあって、当代随一の人気声優が6つ子役を勤めている。
長男のおそ松は櫻井孝宏、次男のカラ松は中村悠一、三男のチョロ松は神谷浩史、四男の一松は福山潤、五男の十四松は小野大輔、六男のトド松は入野自由……と、いずれも主役級の人気声優ばかりだ。
このキャスティングには、「よくぞここまで集めたな!」と感心するが、声優ファンの心を掴んだのは、キャストの豪華さではない。キャストのパブリックイメージが、6つ子のキャラにピッタリすぎるのだ。
長男のおそ松は、「小6メンタルのまま成長したバカ」。確かに、イベント時に見る櫻井孝宏のイメージは、ちょっと少年っぽさを残した、いい意味でのおバカさん。次男のから松はかっこつけ。中村悠一がよく演じるキャラクターもかっこいい役所が多い。チョロ松はツッコミ役。まさに神谷浩史にピッタリ! 皮肉屋の一松も、福山潤のイメージに当てはまる。末っ子で甘えん坊のトド松も、若手であり、声優内では弟キャラの入野自由しかいないだろう。
唯一、様子がおかしいのは十四松だ。公式HPのキャラ紹介でも、本編でも、目の焦点があっていない十四松。キャラクター紹介にある通り、正真正銘の、よい意味ではなく“頭が悪いほうの”バカなのである。なぜ小野大輔だけバカなのだろうか……。小野大輔の役所でいえば、『黒執事』のセバスチャンのようなハンサムキャラが多い。それなのに……。
しかし、声優ファンからは、「なんで小野Dだけバカキャラなの!」といった批難は出てきていない。
そう。だって適役なのだから……!
小野大輔は普段、ハンサムキャラを演じることが多いが、イベント時に見る彼のキャラクターは真逆な気がする。ニコニコと人が良すぎるところに狡さがなく、会場を盛り上げるために、率先してバカ役をやってくれる。かっこつけることもできるのに、あえていじられ役を買ってくれるろことに、「もう、かっこつければいいのに、バカだなぁ」と女心を掻き立てられるファンは多いのだ。
そんな、かっこいい役を演じている作品内のイメージだけでなく、イベントやラジオを聞いているファンだけが知っている、声優・小野大輔の「バカ」なイメージをひろっているのが、むしろ好感を与えているのだろう。だからこそ、6つ子の中でも、十四松はハマリ役で、ダントツ人気なのだ(私周囲調べ)。
■腐女子を“おそ松沼”に叩き落とした衝撃の2話
もちろん、『おそ松さん』に夢中なのは声優ファンだけじゃない。腐女子だって『おそ松さん』に夢中だ。特に、おそ松沼の住人を増やしたのは、第2話のカラ松と一松のやり取りだと思う。
第2話では、ニートな6つ子が働こうと思い立ち、全員でハローワークに行く。
しかし、そこはクズ。
早々に職探しを諦め、大衆居酒屋で酒を飲み始めるのだ。いやあ、クズい。全員いい感じで酔っぱらったところで、酒が飲めないくせに調子にのったカラ松が、イチ松に胸ぐらを掴まれ、涙目になる。
……ここ! ここですよ!
カラ松、かっこつけのくせにメンタル超よえー! でも、それってかわいくない……?(トゥクン)
これが、女心。
しかも、胸ぐら掴まれて涙目になってたくせに、酔いつぶれた一松を背負って帰るという……。もうたまらない! バカなの!? さっき泣かされてたくせに! 本当は大好きなんじゃん!
これが、腐女子の思考回路。
この1シーンで、一松×カラ松沼に溺れる腐女子が大量発生。その瞬間、Twitterのタイムラインが一斉に『おそ松さん』アイコンに変わった。あの1シーンで、世界は「色松」に塗り替えられたのだ。
ちなみに、一松とカラ松の組み合わせを「色松」という。「カラ」+「一」で「カラー」の意味。覚えたかな? 別に覚えなくてもいいけど……。
■腐女子の疑問「誰が一番性欲強いの?」を考える
そして、先日放送された第4話も衝撃的だった。
松野夫婦が離婚するにあたり、6つ子のうち、誰を扶養に入れるかを“面接で選抜する”という正気じゃないストーリー。母性や脅迫で、母の扶養に入ろうとする兄弟に、「唯一の常識人」といわれるチョロ松(今となっては、この設定もあやしい)が、「俺は常識人だから、結婚して孫を抱かせてあげる」と捨て身のアピール。しかし、働きたくない兄弟たちは「俺だって孫を抱かせてあげるから養って!」と、それに続く。迷った末、お母さんが「誰が一番性欲強いの?」と質問し、面接は終わる……という、徹頭徹尾正気じゃない話だった。
しかし、お母さんは、腐女子が今解決しなくてはならない問題を提示してくれたのではないだろうか。残念ながら、作品内でその答えが明かされることはなかったが、あえて、ここで検証してみたいと思う。
私が考える六つ子の性欲は、
●おそ松:性欲は普通そう。普通のグラビアとかに興奮しそう。
●カラ松:これは両極端にわかれると思う。私は、性欲弱め説を推したい。というか、性に疎そう。リカちゃん人形のパンツが見えたくらいで顔を赤らめそう。
●チョロ松:性欲っていうより、とにかく早漏そうなイメージ。
●一松:サイコパスが性豪なのは腐女子界では常識です! だから一番性欲強そう。
●十四松:汚れを知らない天使。性欲? なにそれ? おいしいの? くらいのバカさ。
●トド松:おませさんなイメージ。性欲は人よりやや上って感じ? 単体AVが好きそう。
以上です。
もちろん、反論もあるだろう。当然だ。人の数だけ六つ子の性欲ランキングはある。だって妄想は自由なのだから……。
そして一松×カラ松だけではない多様なカップリングも期待して、今後も『おそ松さん』の放送を楽しみにしたいと思う(第5話は、明日、11月2日深夜ですよ!)。
(にほちん)
クズの六つ子に萌える『おそ松さん』の第4話に衝撃!? 性欲の強さで引き取る息子を決めようとする母に賛同する腐女子たちのページです。おたぽるは、人気連載、アニメ、作品レビュー、BL、もう世の中BLにしか見えない!、おそ松くん、おそ松さんの最新ニュースをファンにいち早くお届けします。オタクに“なるほど”面白いおたぽる!
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