美形俳優ほど古い映画館に愛される? 本郷奏多主演作『シネマの天使』のサプライズなラストシーンに感涙!!

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『実写映画 テニスの王子さま』(06)の越前リョーマ、『K-20 怪人20面相・伝』(08)の小林少年、『GOTH』(08)の死体マニアの高校生、『なぞの転校生』(テレビ東京系)の転校生……、とショタ好きには堪らないキャラクターを数多く演じてきた本郷奏多。コミックやライトノベル系原作の実写化には欠かせない売れっ子若手俳優だが、主演映画『シネマの天使』は原作なしのオリジナルストーリーとなっている。広島県福山市で100年以上の歴史を誇った映画館「シネフク大黒座」を舞台にした、“2次元愛”ならぬ“映画愛”に溢れた作品だ。

 ロケ撮影のメインとなった「シネフク大黒座」は1892年に開館し、2014年8月に閉館するまでの122年間(!)、地元の人たちに愛されてきた映画館。本郷演じるアキラは、子どもの頃から大黒座で映画を観て育ち、いつか自分が監督した映画を大黒座で上映することを夢見てきた映画青年という設定だ。大黒座の近くにあるバーで働きながら映画の企画を考えているものの、映画が撮れないまま時間が過ぎていくことに焦りを感じている。

 かつては機材費やフィルム代に相当の金額を費やさなくてはならなかった映画製作だが、デジタル化が進んだ今ならデジカメとパソコンで容易に作ることができる。自分の夢を叶えることが手軽な時代になったけれど、アキラは自分の創作意欲を突き動かすような熱いモチーフに出会えない。そうこうしているうちに大黒座が閉館することが決まってしまった。夢見る子どもの季節は去ったものの、夢なんか生きていくのに邪魔なだけと割り切れるほどドライな大人になりきることもできないアキラ。コミックやライトノベル系の実写化作品で2次元と3次元世界との橋渡し役となってきた本郷だが、本作では夢と現実、子どもと大人の狭間で思い悩む等身大のキャラクターに挑んでいる。

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 アキラは大黒座に勤める幼なじみの明日香(藤原令子)をヒロインにSF映画を撮ろうとするが、自分が長年温めていたこのアイデアはあまりにも幼稚で、既成のSF映画の焼き直しでしかないことに気づき、愕然とする。映画を撮ろうとすればするほど、映画は遠のいてしまう。クリエイターを志す人間の多くが迷い込む“創作の森”の中にアキラは迷い込んでしまう。さらに本作にはもうひとつの迷宮が登場する。舞台となる大黒座はまさに迷宮そのもの。明治、大正、昭和、平成とさまざまな時代を歩んできたこの映画館は、建て替えや建て増しを重ねたために複雑な通路に無数の扉が並ぶ構造となり、ベテラン映写技師・大久保(阿藤快)でも知らない用途不明の“開かずの部屋”まであるという。霊感のない明日香だが、誰もいないはずの劇場で謎の老紳士(ミッキー・カーチス)が上映終了後のスクリーンを名残惜しそうに見つめている姿を目撃してしまう。無数の夢を投影してきた古い映画館の底知れなさに、明日香の背筋はゾゾッとしてしまう。

シネマの天使 メインテーマ

シネマの天使 メインテーマ

映画を観たら、曲に浸ってください。

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