天才少女ゲーマーを発掘!? 話題作りを欠かさないゲーム専門店の経営戦略

1510_gamestop.jpg「GameStop」公式サイトより。

 ビデオゲームのスマホアプリ化、ダウンロードコンテンツ化が着実に進んでいる昨今、ゲーム専門の小売店の経営は概して厳しいと報じられている。国内某大手のゲーム・DVD・CD専門チェーンもこのところ閉店や統合が相次いでいるように感じられるが、決して気のせいではなさそうだ。しかし店舗ならではの強みは、なんといっても店頭のお試しプレイで人を呼び込める点だ。そこで昨年話題になったのが10歳の最強少女ゲーマーだ。

■店舗イベントで10歳の天才少女ゲーマーが発掘されたが…

 昨年の冬、米・カリフォルニア州ウェスト・ハリウッドのビデオゲームショップ「GameStop」は、『大乱闘スマッシュブラザーズ for Wii U』の発売に合わせて対戦イベントを店内で開催。そこでなんと10歳の天才少女ゲーマーが誕生することになる。

 ニンテンドー64時代からの“スマブラ”ファンの猛者たちをまるで赤子の手をひねるようにあしらい、並み居る腕自慢を連続で撃破。奇跡の連勝を続けるこの少女・カリッサちゃんは、いつしか「カリッサ・ザ・デストロイヤー」と呼ばれるようになりゲーム好きの間で大きな話題を呼ぶことになる。噂を聞きつけた“スマブラ”コミュニティーの中心的人物であるロン・マニグレット氏が彼女の闘いぶりを見て太鼓判を押す一幕も。

 一躍、ゲームの好きの間では“レジェンド”となったカリッサ・ザ・デストロイヤーだったが、ここで事態は意外な展開を見せはじめた。なんと、「GameStop」がこのスマブラ対戦イベントの当日に芸能事務所にタレントの派遣を要請していた書類が見つかり、画像投稿サイト「Imgur」にアップされたのだ。

 そしてたちまち、この“レジェンド”の舞台裏が明るみに出る。カリッサちゃんを筆頭に、当日のイベントで対戦したゲーマーの多くが芸能事務所から派遣された“俳優”で、しかもカリッサちゃんが操作していたと思われたキャラクターは、実は別室にいたプロゲーマーの「Liquid’KDJ」が動かしていたことが判明。つまり、GameStopによる話題づくりのための自作自演イベントだったのだ。

 この“おふざけ”がゲームファンたちにどう受け取られたかというと、やや微妙だ。GameStopはもちろん“一本取った”気分で愉快な話題を提供できたと考えているようだが、「エイプリルフールじゃあるまいし」や「勇ましかった彼女や悔しがる対戦相手の様子が演技だったなんて逆にちょっと哀しくなる」と、なかなか複雑な反響を呼んだようだ。リアル店舗が再び活況を取り戻すために計画されたイベントだったが、手放しで大成功というわけにはいかなかったのかもしれない。

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