基本はメール、それでもダメなら録音だ! 報酬未払いにライターが挑む【弁護士相談編】

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 私の未払い問題だが、前任の人が退職し、引き継いだ人から「原稿料の根拠が納得いくものなら支払う」と譲歩案があった。そこでまた何度かやりとりし、「作業量から見たら割に合わないが、実費よりはずっといい」という金額で落ち着き、裁判に至らず解決となった。「裁判をしてもメールなどの決定的な証拠がないので、負ける可能性はある」という山岸先生からのアドバイスを先に聞いておいて、本当によかった。

 総合的な手間や精神的ストレスに対するリターンの金額を思うと、まったくもって割に合わない行為だったとは思うが、モヤモヤしながら受け入れてしまうよりも、しっかり痛い目を見たので、もうこんな目には遭いたくない、そのために全力を尽くす、という決意が固まったという点ではよかったとは思う。一方で、これから仕事をするクライアントに対し、必要以上にすれっからしにならないようには気をつけたいところだ。3年フリーで生活してきて今回はじめて遭遇したトラブルということで、つまり大抵のところはちゃんとしているのだ。仕事を依頼してくれる側に対し、「あァ? おめえどこ中だよ」と不必要に喧嘩腰にならないようには気をつけなくてはいけない。詰めるところはニコニコ笑顔できちんと事前に詰める大人コミュニケーションが、今後の必須ミッションだ。

 仕事を依頼する側から見れば、「確約していないお金まわりのことなど言いたくないから、立場の強さを生かし、そのままうっちゃる」は、まかり通ってしまっている(最初にきちんと提示してくれる会社も、もちろんあるが)。現状がそうなりやすい以上、仕事を請ける側がノックするのをさぼってはいけないのだ。私とてICレコーダーでこっそり会話を録音するなんてことはしたくないが、何一つ金額の証跡を残してくれない相手と仕事をするときは(そもそも、そんなところと仕事をすべきではないが)、懐刀としてのICレコーダーもある、と覚えておくといいかもしれない。

 私の場合、裁判には至らなかったが、次回、もし裁判をしていたらどうなるか、簡易裁判所での手続きを紹介することで、こちらの連載の最終回としたい。
(文/石徹白未亜[http://itoshiromia.com/])

アニメキャラが行列を作る法律相談所

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立場によって言うことがやっぱり変わるんですね

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