発行3カ月で、同人誌はどれだけ手にとってもらえたか? 初心者が同人活動をはじめてみると…【実売数編】

 たまたまうまくいったからよかったものの、繁忙期なら間に合わなかったのかもしれない。今回、2週間前までに申込しなくては、と分かっていた時点で手帳にグリグリ書きこんでおくべきだった。既刊の発送以外にも印刷期日や、イベントの申込期日など、オフでの同人活動は24時間お好きなときに、なオンラインと違い期日だらけだ。初回イベント参加時は早め早めできっちり動けていたのに、2回目にして早くも元の性格の適当さが遺憾なく発揮されてしまっている。

 たくさん頒布できるようなサークルでないからこそ、印刷所の早割(早期入稿をすると印刷料金が割安になるサービスは多くの印刷会社が導入している)を利用したり、きちんと間に合わせて不要な心配や手間やトラブルを避けるなど、よりリーズナブルに、快適に、手間なく利用するためのツボをしっかり守ることが同人活動継続のモチベーションにつながるので、気をつけなくてはいけない。

 イベント会場での受け取りなら、発生しなかった自宅から会場への運搬が必要になったのだが、自分のせいなので仕方ない。しかしここで、送り返された本を見て気づいた。軽いのだ。私の本はA5(A4の半分サイズ。同人小説でよく使われる版型)で、1冊が30ページに満たない。大学ノートよりも薄く、見た目は表紙のちょっぴり厚い小冊子といった趣だ。今後のイベント参加も考え15冊送り返してもらったが、これがまったくもって軽い。ほかのサークル活動に必要な文具や布などを入れても、キャリーバックを使わずとも大きめの旅行かばんで行ける、くらいのコンパクトさだ。

 本が薄くなるか厚くなるかは作風にもよるが、薄くなる、という人は初期参入が楽とも言える。重いものの持ち運びはそれだけで疲れるし、宅配業者を利用すれば地味に財布を削られていく。「薄い本を30部」ならば印刷料金だけでなく、持ち運びにおいても大怪我はしないのだ。

 初回参加時に「おつりの小銭」や「スペースの机に敷く布」などのサークル活動に必要な文具や道具は一通り揃えていたため、同人誌の返送以外に手間どったことはほぼなかった。何事もそうだが、初回を抜けたらあとはスムーズなのだ。

■pixivにあげた作品サンプルにつくブックマーク数は案外アテにならない?

 イベント当日、前回同様直前に会場入りし、ささっと準備をして開会になった。前回のイベント参加時、最大の課題であった「一人サークル参加ってすごい暇」問題も解消すべく、仕事関連の資料もぬかりなく持参している。

 ぼっち同人ゆえに、会場を行き交う人たちを本当は眺めていたいのだが、サークル側には椅子があり、そこから見上げて眺めていると、なんだか「買われるのを待つ女」的風情になってしまうのだ。事実同人誌を頒布したいのだから「買われるのを待つ女」は間違いではないのだが。また、サークル側がニコニコ見上げているのも店員のマークのきつい服屋状態とも言え、買う側からしても近寄りづらいだろう。ほかのサークルを見ても待機時はスマホをいじったり、当日購入した戦利品の同人誌を読むなど、うつむきがちでいる人が多い。

 ぴたりとも動かないまま開始から20分。参加することに意義があるんだ、とこらえていたところに「こちら一冊お願いします」と天使の声。今日、私に参加した意義を与えてくれてありがとうございます……。1冊頒布できると気持ちが楽になるのは前回とまったく同じだ。

同人誌ケース

同人誌ケース

ちょっとこれほしいんですが。

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