新作アニメ監督インタビュー

ブラック・ジャックは“ヤング”でも、その魂は変わりません 『ヤング ブラック・ジャック』加瀬充子監督 インタビュー

—— では、このあたりでキャラクターの話に移れればと思います。原作の繊細なキャラクターを再現するのはなかなか難しいのではとも思いますが。
加瀬 スタジオの中でオーディションがあったんです。その中には普段作監をやっている方もたくさんいたのですが、一番原作に近い片山(みゆき)さん、三浦(菜奈)さんを選ばせていただきました。片山さんがブラック・ジャックとその他のメインになってくるようなキャラクターをやってくださって、舞子さんや藪さんといった可愛らしい系のキャラクターは三浦さんがやってくださっているんです。キャラ表としては並ぶとちょっと違和感があったりもするんですが、そこは作監が上手くまとめてくれていますね。この子(間黒男)の眼や口や鼻というパーツは、描くとまとまりが凄く難しいんですよ。細かなディテールばかりに凝ると全体が変わっちゃうんです。バランスが悪くなってしまう。やっぱり片山さんが描かないとこの間黒男にはなりませんね。
—— そして『ブラック・ジャック』といえば、やはり医療を扱った作品として不動の位置にあると思うのですが、医療について本作ではどのように扱っていかれるのですか。
加瀬 医療監修については、原作と同じく後藤(伸正)先生についていただいています。ただ、手術シーンは見どころではあるのですが、アニメーションになると見せてはいけないものがあるんですよ。「そんなの取っ払ってくださいよ!」と言いたいところではあるのですが、なんとか演出的な工夫で見せていければと思います。
—— ご苦労お察しいたします……。取材などにも行かれたのでしょうか。
加瀬 そうですね。1970年当時の医療の現場を見せますので、当然機器類なんかは博物館に行って見たりしました。もう、今とは全く違いますよ。メスから違いますね。今のものは、刃が取り替えられるんですよ。
—— 柄は一緒なんですか。
加瀬 ええ。付け替えることができます。この時代だとメスは使っていく内に刃が剥がれたり折れたりするじゃないですか。だから研ぐんですね。
—— ああ。手塚版『ブラック・ジャック』にも研師が出てきますね(エピソードサブタイトル「湯治場の二人」)。
加瀬 そうです。実は今回もその研師の人(馮二斉)が出て来るんですが……。それと注射器。昔は針を煮沸消毒して使いまわしていたんですよ。人工心肺が今のかたちと違うのにも、困りましたね。動き方が分からないので……。そういった取材上の苦労はかなりありました(笑)。

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