『バクマン。』ではあんなに熱い人ばかりなのに……どうしてこうなった? 『こんな編集者と寝てはいけない』

 実写映画も公開され、話題の『バクマン。』(集英社)に出てくる編集者たちは皆、クセはあるが、何よりも面白いマンガを作るべく、マンガ家と一緒に熱く燃えている。マンガを作る現場って、編集者って、すごい! と思ったのに。それを真っ向から裏切ってくれる作品が現れた。

 よく、このマンガを連載&単行本化したな講談社、と思わせてくれる、なかまひろ『こんな編集者と寝てはいけない』(マンガボックスにて連載中)。どうしても連載が欲しい新人漫画家・中洲川ルミが、次々に現れる編集者と毎度毎度一夜を過ごしてしまう、グラドルも真っ青の枕営業マンガなのだ(ちなみに中洲川は今のところは毎回ギリギリのところで最後のラインは守りぬいている)。

 それにしても、なぜ中洲川はこんなにも編集者に恵まれないのか。やれ「野球に恋愛要素を押し込め」だの、「ビッグデータ=売れる方程式」だの、「全部目線は読者に」だの、自分のポリシーを押し付けられ、新人だからと鵜呑みにする中洲川。その結果、ラブホに連れ込まれたり、漫画喫茶でブラを寄越せと言われたり、美人編集者から「BLも百合も、マイナージャンルじゃなくなってしまった」とか言いながら襲われかけたり。

編集者が変わるたびに振り回された挙句、カラダを狙われる中洲川。その上、毎回要望を律儀に反映した作品を完成させて提出しているのに、毎回ボツになる。そりゃそうだ、どのマンガも編集者の偏った要望の塊だもの。

 憧れの職業であるマンガ家、そしてそれを支える編集者、という幻想を打ち砕いてくれるこの作品。どんな業界であれ、自分より立場の弱い人間には強く出る人にろくな人はいないのだと改めて感じてしまう。まぁ、毎回流される中洲川にも問題があると思うが……。

 そして、何より面白いのは巻末にある、作者本人が語る「私がこんな変なマンガを描くことになったワケ」だ。リアルに編集者に恵まれない、なか先生に幸あれ。

漫画編集者

漫画編集者

こんな本も出てるんですね

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