【シリーズ「ももクロと、おやじノフたちの現在地」case.08】

「ユニーク、カワイイ、パフォーマンスの三位一体。『ももクロ』に号泣させられる五十路ノフ」すーさん(57)の場合

2015.10.08

2011年4月「Z試練の7番勝負」FINALの日比谷野音

 金もある、仕事もある、時間の余裕もある……そんなアラウンド40から50な男性たちを虜にし、大量の“おやじノフ”を生み出した、ももクロこと「ももいろクローバーZ」。2012年にはデビュー以来の悲願だった『NHK紅白歌合戦』に出場し、14年には国立競技場ライブも成功させ今夏はエコパアリーナ2days、またクリスマスには軽井沢スノーパーク3daysライブを予定するなど、今まさに栄華を極めたといっていい。

 だが、どんな季節にも終わりはくるもの。やがて訪れる「ももクロの終わり」を、おやじノフたちはどう考えているのか。そして、彼ら自身の“推しごと”の行方は?

 シリーズ「ももクロと、おやじノフたちの現在地」。総勢10人のおやじノフたちに、モノノフとしての始まりと終わりを語ってもらった。「ももいろクローバーZ」とモノノフの間には、何が存在していたのか。そしてそれは、今後どうなっていくのか。アイドルが与えた「夢」の実像が浮かび上がる──。(取材・文=関口ヒサヨシ)

case.08●ニックネーム「すーさん」の場合

年齢/57歳
家族構成/独身
職業/会社員

 今年夏、小学生が夏休みの自由研究で、桃神祭に来たノフたちのアンケート調査が話題になった。その表を見ると、20代、30代の数は言わずもがなだが、40代も意外に健闘している。しかし、50代になると極端な差があった。今回登場いただくのは、そんな希少な五十路ノフである。

 * * *

●ももクロが好き、れにちゃんが好きと言いたくてたまらない!

――50代のモノノフは少ないんですが、すーさんは今回のインタビューの中でも最年長です。そもそも、ももクロを知ったきっかけって何だったんですか?

すーさん 12年の春くらいだと思いますけど、テレビの『だまされた大賞』に出た時、夏菜子がイスにスポッとはまったり、れにちゃんが回転するイスで変顔したりするの見て、「なんて面白いコたちだ」って思ったんです。それで気になってYouTubeで動画漁ってたら、もう(ライブが)見たくて見たくてしょうがなくなって(笑)。横アリも見たかったんですけど、夏西武が初めての現場になりました。氣志團万博は今年で4回目。ももクロが参加するようになった初回から来てます。

――氣志團万博参戦歴も今回最多です(笑)。それじゃあ、もともとアイドル好きだったんですか?

すーさん それが全くないんです。理由はなんでだかわからないけど……「面白さ」ですかね。

――ちなみに推しは?

すーさん れにちゃんです(そう言って見せてくれた紫のショルダーバッグには、AEのピンバッジがキラキラと輝いていた)。

――ももクロの中で誰推しって言うのは、照れくさくなかったですか?

すーさん ボクは言いたくてしょうがなかったです。彼女は異質だと思うんです。なんて言うか、飾らないし、変顔してみたり、やることなすこと全てに癒されるんです。初対面の相手でも、趣味を聞かれたら「ももクロです」って言っちゃいますね。

――オヤジ世代でアイドルにハマったとき、葛藤ってありませんでした?

すーさん それはありましたよ。オヤジなのに、いいのかなって。最初は友だちに言いたいけど言えなくて。言えるようになったのは、彼女たちがある程度有名になって認知され出してきてからですね。たぶん、地下アイドルだったら言えなかったですね。

――その時、友だちの反応は?

すーさん それが、てっきり拒否反応かと思ったら、意外と「いいじゃない」って言われたんで、こっちが驚いちゃいました(笑)。同年代の方が理解ありますね。韓流好きな女性も多いし、「テレビで見たよ」って言ってくれる人もいるし。逆に若い友だちだと、一緒にカラオケ行って、ももクロ唄ってると途中で消されたり(笑)。まあ、人によるんでしょうけど。

――そんな人がいるんですか? AEに入るときはどうでした?

すーさん それもやっぱり躊躇しましたね。ファンクラブまで入るのはって……。

――ももクロの何にハマったんですか?

すーさん やっぱり、まず最初はあのパフォーマンスで、あとは歌詞の内容かな。他のアイドルの歌って、誰を好きになったとか恋愛ソングが多いじゃないですか。それだとちょっとオジさんにはついていけないかなって。ももクロの場合、ファンに対する「愛」や「恋」を擬人化して歌にしてるように聞こえるんです。応援歌に聞こえるんですよ。

――ももクロと他のアイドルの違いって何だと?

すーさん アイドルのテレビ番組は多いですけど、けっこうガツガツしてるじゃないですか。それが痛々しく感じるんです。ももクロはフツーにやってるところが受け入れられてるような気がします。ガツガツしてないし、裏表がないあたりじゃないかと。

――ノフになった頃、他に趣味は? その趣味は今でも続いてますか?

すーさん プロ野球観戦と草野球くらいですかね。それは今でも同じペースでやってますよ。

――3年半くらいのノフ歴ですが、年間の現場数と推しごと代は?

すーさん 今のところライブは年に3、4回ですね。地方遠征までは行かないんで、LVやDVD、グッズと合わせて10万くらいですかね。

編集部オススメ記事

注目のインタビュー記事

人気記事ランキング