「飽和しつつあるアニメソング業界でいかに生き残っていくか……」苦悩の果てに生まれた川田まみニューアルバム『PARABLEPSIA』インタビュー【前編】

■危機感が生んだ「E.M.R.」というオリジナリティー

──今回、「E.M.R.」というコンセプトを掲げていますが、川田さんが自らのサウンドを「ロックだ」と明言することって実は初めてですよね?

川田 ジャンル名として明言するのは初めてですね。まあ「I’ve SOUND(I’ve楽曲のこと)」というジャンルの中で歌っているという点では、今まで通りなんですが、そのI’ve SOUND自体にも色々な音楽性があるんです。大まかに言うと「打ち込み」「トランス系」なサウンドをベースに、色々なクリエイターや歌い手が様々な表現をしている。色んな音楽性が混在している点では、アニメソング業界みたいなものかもしれないですね。I’ve SOUNDにも一定のカラーがあるんだけど、そこからロック、ハードコア、ポップスなど色んなサウンドに分かれていって、その中に私がいるという感覚ですね。特に今回は「川田まみ」を前面に出してくれたというところです。今までも「川田まみ」という名前でアルバムを出させてもらっていたんですけど、それは「I’ve SOUND」の川田まみ。でも、今回はI’ve SOUNDなんだけど「川田まみの本質」を出そうということになって、それを象徴するジャンル名を作ったんです。

──川田さんは、2013年にリリースされたベストアルバム「MAMI KAWADA BEST BIRTH」のライナーノーツにおいて、もともと打ち込みサウンド主体だったI’ve SOUNDの中で、ロックサウンドを歌うことに葛藤を抱いていたと告白していましたよね。そんな川田さんがオリジナルのジャンル名に「ロック」というワードを入れてきたことに、個人的にかなり衝撃を受けたんですよ。

川田 まさに「JOINT」「No buts!」の頃は葛藤していましたね。だってもともとI’ve SOUNDはロックな色を打ち出してはいなかったし。実はI’veのクリエイター陣の間でも、「ここまでロックな曲調を打ち出してもいいのか」という話し合いが設けられたこともあったんです。正直、当時の私はI’ve SOUNDに甘えてきた部分もあったから、ロック路線をやることについて自分としては「川田まみのサウンド」というものに挑戦できるから嬉しい反面、それをI’ve でやる意味があるのかっていう怖さもあって、自分自身もかなり葛藤をしていました。でも、それから色々経験させてもらって、それをやり通してきたからこそ到達できたものもあって、それが今回のアルバム2曲目の「Borderland」なんですよね。

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