「飽和しつつあるアニメソング業界でいかに生き残っていくか……」苦悩の果てに生まれた川田まみニューアルバム『PARABLEPSIA』インタビュー【前編】

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──それは、これから先もアニメソング、ゲームソング業界で戦っていけるのかという？

川田　うーん……。アニメソング業界自体もアイドルや声優さんが歌うことですごく盛り上がっているんですけど、少し飽和状態になっているのではないか。その中での自分の立ち位置に対する不安や、今の音楽業界の状況を見て「これから私はどうなっていくんだろう」という面も含めて自分を見失いそうになるところがあったんです。そういう状況が、まるで目の前で絵がグルグルと回る「錯視」のように見えてきちゃったんですよ。
でもそこで思ったのが、ここまで来たらやるしかない。よくわからないまま騙されてしまう世の中で自分を見失いそうになっているけど、反対にこの状況や見方を逆手に取ることで、自分すらも騙して前進することができるんじゃないかなって。今回の曲の中でも「Trick me!」っていう歌詞があるんですが、私はあえて騙されたうえでもっと前に向かって飛んでやるよ！っていう前向きな気持ちを表現したいなと思うようになったんですよ。ただ前向きなんていうのは面白くないし、私ももう若くないですからね（笑）。色々な経験を経てきたからこその前向きさみたいなものを表現しようと思ったんです。

 
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