――確かにアイドルのレッスンで走る距離じゃないですね。
西 しかも途中で車に乗った社長が待っているんですよ。歩いているところに出くわしたらどんなことになるかわからないから気も抜けなくて。大目に見るとマラソンは持久力もつくし、歌につながるからいいんですよね。いまだに理解できないのはバスケですね。コーチがいる訳でもなく、ただただ体育館を走り回ってシュートをするんですよ。
――その一部始終を撮影して後に発表するってわけでもなく?
西 マラソンの時はカメラを回していましたけど、バスケは何もなかったですね。
――それは狂ってますね(笑)。ただAeLL.はマラソン大会に出場したり、富士山に登るイベントを行ったり、どちらかと言うと体育会系のイメージが強いグループでしたよね。
西 そうなんですよね。10人ぐらいでレッスンを受けていたんですけど、最終的にAeLL.は4人って発表された時に「マラソンも受け継ぎます」と言われたんですよ。その時のショックと言ったら……。メンバーにはマラソンでビリ争いをしていた子もいたので、どういう基準で選ばれたのかわからないんですけどね。
――そのほかにどんなレッスンがあったんですか?
西 加圧トレーニング、ダンス、演技レッスン……。
――肝心の歌はなかったんですか。
西 なかったんです(笑)。後々聞いたのは、愛ちゃんの歌唱力があれば、とりあえず大丈夫だろうって考えがあったみたいです。初めて社長に歌を聴いてもらったのはカラオケ屋で、曲を作ってくださる方も同席する中で歌ったんです。その時に「こいつ意外と歌えるんだな」って社長は思ったみたいです。
――濃密な半年間の準備期間を経て、2011年の元旦にAeLL.初お披露目となります。
西 しかも舞台は「元旦初走り多摩川堤健康マラソン」に参加して10km走るという(笑)。2011年に日付が変わった瞬間にホームページで情報が公開されたんですよ。初お披露目が元旦マラソンって頭おかしいなって思うんですけど、それでも駆け付けてくれた愛ちゃんファンが見守る中で多摩川を走って。きつかったですけど鍛錬もしていたので無事に4人とも完走しました。
――1カ月後には「赤羽ハーフマラソン」にも挑戦しましたからね(笑)。
西 さすがにフルマラソンまでは挑戦できなかったですけどね。
――いやいや、ハーフで十分ですよ(笑)。AeLL.はマラソンもそうですけど、農業や富士山定期清掃など、ライブ以外でもファンと一緒に交流を図っていましたよね。
西 今でこそほかのアイドルさんも、当たり前のようにファンの方と一緒にライブ以外のイベントをやっていますけど、その先駆けだったと思いますね。
――しかも、かなりファンを酷使させて(笑)。
西 AeLL.プロジェクトとして「AeLL.村」を山梨県南アルプス市に作ってファンの方に重労働させていましたからね(笑)。今はほかにも畑をやっているアイドルさんがいますけど、AeLL.は開墾から始めていますから。
――開墾からって、めちゃめちゃ時間かかりますよね。
西 種や苗を植えるまでに1年半かかっています。竹って土を掘って刈っても、また生えて来るんですよ。普通ならブルドーザーを入れるんでしょうけど手作業で(笑)。
――でもメンバーと一緒にいる時間は長いからファンとしてはうれしいでしょうね。
西 朝集合して、お昼を一緒に食べて、夕方まで作業していましたからね。だからファミリー感は強かったと思います。でも農作業に熱中しているから、横に私や愛ちゃんがいても気付かれないんです(笑)。
――畑が出来上がってから何を植えたんですか。
西 イモ類を始め、いろいろ植えたんですけど、大変だったのはモモとコメですね。モモって手がかぶれるんですよ。コメは苗を機械じゃなく手で植えたんですけど、直線で植えるのが難しいんですよね。収穫後は「AeLL.米」としてみなさんに提供しました。
――そもそもアイドル活動がメインだから、そこまで農業に手が回らないですよね。
西 そうなんですけど、急に社長から召集があって、メンバーはいないのに一部のファンの方だけが集まって農作業をしていたこともあるんですよ(笑)。あと開墾にしか来ないファンの方もいました。
いつか「西フェス」をやりたい! 西恵利香に聞く“AeLL.無期限活動休止”、そしてソロシンガーへの道のりのページです。おたぽるは、インタビュー、アイドル、ギャラリー、アイドル&声優、インタビュー、西恵利香、AeLL.の最新ニュースをファンにいち早くお届けします。オタクに“なるほど”面白いおたぽる!
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