法テラスで「相談」できる人は、ごく一部？報酬未払いにライターが挑む【法テラス編】

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■共稼ぎ家庭は、ほぼ無理？　法テラスで相談できる人には条件がある

　法テラスに「報酬未払いで困っているが、対面相談をしていないか？」と電話で問い合わせてみたところ、対面の相談をするには、月収、資産双方が一定以下でなくてはいけない、と言われた（表参照）。ちなみに、「月収」の要件は、「申込者及び配偶者の手取り月収額（賞与を含む）」で、かつ、「申込者等と同居している家族の収入は、家計の貢献の範囲で申込者の収入に合算する」とある。表中の「人数」は同居家族の人数だ。

　この条件だと「夫婦共稼ぎ・子供なし」や「4人家族のうち2人以上がフルタイムで働く」ケースなら、多くが収入条件でアウトだろう。ある程度年齢のいった人だと、今度は多くが資産条件でアウトになりかねない。これはもう、「小さい子供がいて働けないのに、夫が蒸発してしまった若いお母さん」など、相当困っている人に限定して対面相談というスタンスなのだろう。また、若く働きたてで、一人暮らしで貯金する余裕なんてまだまだ、という人なら対象になれるかもしれない。新米クリエイターが報酬未払いで困ったら、法テラスの対面相談、いいかもしれない。

「法テラスの月収、資産の要件を満たせない人は、都道府県が主催する無料の司法書士相談を受けてみては？」と、法テラスより案内された。これらは都道府県庁のホームページからも検索できる。私の住む自治体の無料司法書士相談の会場は、前に無料税理士相談で訪れた見知った場所だ。最初からここに来ればよかったのだが、この案件が弁護士案件なのか、司法書士案件なのかがわからなかったのと、なんか法テラスっていいんじゃないか、CMでやってたし、というファジーなイメージから法テラスを挟んでしまったのだ（ちなみに司法書士と言葉が似ている「行政書士」は相続の書類など、役所に出す許認可の書類を作成する仕事。漫画『カバチタレ！』は行政書士事務所が舞台）。

　基本的に「案内」が仕事の法テラスは自分の仕事をしているだけだが、トラブル時に、ここならなんとかしてくれる！　とすがっていったところに「ここじゃなくてあそこに行って」とされるのは、ヒットポイントがぐいっと削られてしまうものだ。報酬未払いで困っている人は、法テラスに行くよりも都道府県の無料司法書士相談に行ったほうが手っ取り早くてお勧め、と法テラスの代わりに案内したい。次回は行政相談になる。

※本文中の情報は、すべて2015年10月時点のもの
（文／石徹白未亜[http://itoshiromia.com/]）

 
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