商業初単行本となる天漸雅『ラブラブ獣姦ガールズ』(ティーアイネット)は、よくぞまあ商業でやれたなと思われるような、ニッチな作者の趣味が全開である。
昨今、愛好者が増えているのか妙に遭遇する機会が多くなった獣姦エロマンガ。その中でもティーアイネットの作品群は、ネガティブにいえば大味。ポジティブにいえば豪快なテイストが特徴である。
そこの登場した新星が描くのは、獣姦+陥没乳首を組み合わせたシチュエーション。獣姦に加えて、やたらと陥没乳首にこだわった作品が次々と登場するのである。
陥没乳首というと、性感が高まるにつれて乳首が勃起していくのが興奮のポイントかと思っていたのだが、この作者は違う。ひたすら陥没したままなのである。エロマンガとしてのデフォルメを加えて描かれる陥没乳首は、ほとんど縦割れ=性器なんである。それがワンコにペロペロされて「陥没乳首でイッちゃう!」と、なにやら汁まで噴き出すわけである。
もはや、どーなってるんだよ? とツッコミながらも、とことん興奮できることは間違いない。きっと、作者はこのような陥没乳首を創造するまでに数多の陥没乳首を見て、妄想に励んだはずだ。その妄想がちゃんと商業作品になっているんだから、変態としてはうれしい限りだろう。
さて、多くの読者が購入動機にしているであろう獣姦のほうはといえば、これまでの獣姦ものではなかったようなエロバカ+ラブラブ路線である。これまでの獣姦ものは、だいたいはヒロインの戸惑い、半ば凌辱的かつ背徳感のある雰囲気で描かれてきたと思う。ところが、この単行本に収録された短編群は一様に、よい意味でバカなのである。冒頭の収録作「応援したくて……」では、ヒロインがケガをしたサーカスの犬をチアリーディング部のユニフォームで励ましているうちにセックスに突入。続く「愛犬預かります~ワンちゃんと共同生活~」では、最初は犬にレイプされちゃうんだけど、翌日からはヒロインが「ご主人様に会いたかったんですね」と、犬の寂しさゆえのレイプを超絶包容力で包み込んでラブラブセックスに。このヒロイン、なぜか言葉の語尾が「~あります」になってるのだけれど、どの作品も共通してヒロインの造形が、ちょっと痛そうな明るいバカなのである。
だいたいのエロマンガヒロインのキャラ造形は作者が性欲を感じるタイプであるとするならば、やっぱりこの作者は相当の変態であろう。
ちなみに収録作の中でも筆者が特にオススメしたいのは、タイトルからしてキテる「陥没山ビバーク」である。この作品、獣姦+陥没乳首という作者の描きたいものがフルスロットルで表現されている。「それ乳首だから無理無理入らないよぉッ」っていってた陥没乳首に犬チンポをブチこまれたあげく「処女乳首めちゃくちゃにされてるう。ワンちゃんにオナホあつかいされて弄ばれてるう」とか、説明しながら感じまくってくれるのだ。
獣姦ものにあり得なかったエロバカ感に戸惑いつつも次第にハマっていく妙な作品群。ずっと獣姦ものばかり描いてきたという作者の今後の成長が楽しみだね。
(文/ピーラー・ホラ)
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